北朝鮮の馬息嶺(マシンリョン)スキー場と言えば、金正恩政権初期の業績の一つだ。
工事開始からわずか半年ほどで完成し、「馬息嶺速度」として自賛し、2018年に韓国の平昌(ピョンチャン)で
開催された冬季五輪では、南北合同チームの練習場所としても使われた。

だが、最近の様子を伝える報道はない。あてにしていた外国人観光客がコロナ鎖国で全く入国できずにいるからだ。
経済難の中で国民もスキーを楽しむような余裕がなく、閑古鳥が鳴いているのだろう。そんな中、スキー場の
チケットが地域住民に配られたが、喜びの声はおろか逆に不満の声が上がっている。江原道(カンウォンド)の
デイリーNK内部情報筋が伝えた。

「スキー場を擁する道は正常運用せよ」「新年を迎え国が栄える雰囲気を高め、(朝鮮労働)党と国の
愛の措置として住民に楽しい暮らしができるようにせよ」との国の方針が下されたのに伴い、江原道人民委員会(道庁)は
スキー場の運営方針を再検討。「スキー場を訪れる人民の笑い声が溢れることを望む党の愛に応える」として
道内の行政機関や企業所、学校に、馬息嶺スキー場の利用チケットを配布することにした。

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デイリーNK 2023年01月08日
https://dailynk.jp/archives/152046