暮らしを支える社会保障制度について解説した「社会保障のトリセツ」を、福岡大法学部教授の山下慎一さん(38)が出版した。
介護や子育てなどで困難に直面した際、家庭の状況に応じて利用できる制度を一冊にまとめており、山下さんは「『知らなくて損をした』という人たちを少しでも減らしたい」と話している。(植田優美)

「社会保障のトリセツ」を出版した山下さん。フローチャートで利用できる制度を調べられるようにした。《写真》
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「社会保障のトリセツ」を出版した山下さん。
フローチャートで利用できる制度を調べられるようにした。
 「病気やけがで働けなくなった」「家族が介護が必要な状態になった」――。そうした家庭や個人の様々な悩みを、社会全体で支える仕組みが社会保障だ。ただ、いざという時に利用できる制度を知らず、「損」をしてしまう人も多い。

 大学の法学部教授である山下さんもそんな一人だった。
8年ほど前、長崎県の実家に住む祖母が、認知症で介護が必要となった。
両親だけでは介護が難しくなり、要介護認定を受けてショートステイを利用し始めると、毎月の利用料は10万円ほどに上った。祖母の年金だけではまかなえず、家計に負担がのしかかった。

 社会保障法が専門の山下さんは両親を助けるため、帰省して役所の窓口やケアマネジャーに何度も相談した。
ただ、法律に詳しくても、利用者側となると制度は複雑で難解だった。結局、・・・

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【記事元:読売新聞;2023/01/12 20:23】
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