2023年3月3日

ロシアによるウクライナの軍事侵攻から1年。

再び大規模な攻撃を始めたと指摘されているロシア軍。
ウクライナ軍も国民の強い支持を背景に、徹底抗戦の構えを貫いています。

「純軍事的にみれば、ことし中、戦争は続くと考えたほうがいい」

こう指摘するのは、東京大学先端科学技術研究センターの専任講師、小泉悠さん。
国内きってのロシア軍ウォッチャーの最新の見立てです。

(聞き手:国際部記者 山下涼太)





なぜ、この1年ウクライナは“善戦”できている?


言い方が難しいですが、古い言葉で言うと「精神力」ではないかと思います。

もちろん、ウクライナの軍事態勢とか西側の援助とか、テクニカルな理由は求められます。ただ、結局、国家指導部があくまでもロシアの侵略に対して抵抗するという意思をもっていなければだめですし、さらに国民が「犠牲も出ているけれどもあくまでもロシアに抵抗する」「国家指導部を支持する」という政治的な決意を持っていないと成立しません。

ですから、やはり古い言い方ですけど、そこは「精神力」に帰着すると思います。別の言い方をすれば「ナショナルアイデンティティー」とか「愛国心」であるかもしれませんが、これなくしては、あらゆる軍事的な議論が無意味だと思います。

そのうえで2014年の最初の戦争以来、ウクライナが非常に真面目に軍事改革をやってきたとか、西側が大規模な軍事援助を行っているとか、こういった要素が生きてくるのかと思います。

仮にこのウクライナの精神的な強さがこの先も変わらないのであるとすれば、ウクライナ軍自身の強さ、西側からの軍事支援の大小が大きな意味を持ってきます。




ロシアの大規模攻撃は?戦況のポイントは?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2023/03/03/29764.html