※2023/02/27 12:22
読売新聞

 東京にいると、いろいろな場面で「武蔵野」という名称に出会う。武蔵野市や武蔵野公園、武蔵野大学などなど。そこで疑問に思った。武蔵野とはどの辺りのことなのだろうか。(井上勇人)

 まずは、広辞苑で調べた。「関東平野の一部。埼玉県川越以南、東京都府中までの間に広がる地域。広義には武蔵国全部」などと記されている。漠然とした感を受ける。では、広義でいうところの、武蔵国はどこにあったのだろう。

 全国の地名の由来を研究する「日本地名研究所」(川崎市)事務局長の菊地恒雄さん(79)を訪ねた。およそ、埼玉の大部分、島部を除く東京、横浜市や川崎市といったところが武蔵国という。

 それでは、この辺りが広義の武蔵野ということか……と思いきや、そうでもないらしい。菊地さんは「行政で区分されていないため、地理学や文学など、分野によって武蔵野の範囲は違う」と語る。つまり、明確に示すのは難しいようだ。

 なお、菊地さんは、武蔵野台地一帯を武蔵野と考えている。多摩川と荒川、埼玉を流れる入間川に囲まれ、東京と埼玉にまたがっている台地だ。江戸時代には街道が整備されて物流が盛んになり、独自の文化が築き上げられたからだという。一方、「自分なりにどこが武蔵野かを考えてみてほしい」とも話している。

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