債務問題が前進も、世界経済の先行き不透明 G20財務相会議閉幕

 米首都ワシントンで開かれていた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が13日、2日間の討議を終え閉幕した。共同声明など成果文書は見送られたが、深刻化する途上国の債務問題については債権者間で協議する新たな枠組みを日本の主導で設けるなど前進が見られた。ただ、米銀破綻に伴う金融不安を背景に世界経済の先行き不透明感は強まっている。

中国対応が焦点
 世界経済の課題となっている債務問題が前進した。深刻な経済危機が続くスリランカの債務再編を進めるため、日本が主導する債権国会合が13日(米国時間)に発足した。新たな枠組みの下で解決に向かうのか。今後は最大の貸手である中国の動きが焦点となる。

 「歴史的快挙だ」。鈴木俊一財務相は会合の発足を伝える記者会見で胸を張った。会見にはインドとフランスの高官も同席し、その意義を強調。当事国であるスリランカのウィクラマシンハ大統領はオンラインで参加し、「危機から立ち直り、国民の経済的水準を高めるために、皆様の支援の継続を引き続きお願いしたい」と歓迎した。

 途上国の債務問題は世界経済の大きなリスクとなっている。新型コロナウイルス感染拡大による財政悪化に加え、ウクライナ危機や米国の利上げに伴う物価高が、ドル高による返済負担の増加や外貨不足につながり、各国の債務が拡大した。世界銀行の資料では2021年末の途上国の対外債務は9・3兆ドルで10年前の2倍に膨らんだ。

 従来は先進国中心の債権者会合「パリクラブ」が主導して債務救済を進めていたが、…(以下有料版で、残り2071文字)

毎日新聞 2023/4/15 05:30
https://mainichi.jp/articles/20230414/k00/00m/020/257000c
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