2023年4月19日 19:41

 京都府南丹市園部町の曽我谷地区に住む男性が、地元の集落から村八分のような扱いを受けたとして、同地区などに対し、区民であることの確認や慰謝料など340万円の支払いを求めた訴訟の判決が19日、京都地裁であった。菊地浩明裁判長は、男性の請求を棄却した。

 判決によると、男性は1975年に結婚し、約40世帯が暮らす同地区に住む妻の両親と養子縁組した。83年に長岡京市から同地区に転居したが、2001年ごろに離婚、妻の両親とも離縁した。

 男性側は、離婚以降、住民と道で会っても無視され、自分が出したごみだけが回収されなかったり、地区の行事連絡や配布物が来なくなったりしたと主張。自分をあたかも存在していないかのように扱って孤立させる行為は、人格権を侵害する不法行為に当たると訴えていた。

 菊地裁判長は、無視やごみを回収しないなどの村八分行為があったとする証拠はないと指摘。男性が離婚後に新たな世帯をつくり、区に入会意向を示さず区費も支払っていなかったことなどから、男性は区民ではなくなったため配布物などもなくなったとし、組織的に男性と絶交したとはいえないと結論づけた。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1011154