毎日新聞 2023/5/22 18:45(最終更新 5/22 18:45)

 陸上自衛隊は今年度から、東富士演習場(静岡県御殿場市など)で開催している国内最大規模の実弾射撃演習「富士総合火力演習」(通称・総火演)の一般公開を取りやめることを決めた。
近年、入場券の当選倍率は約30倍と高い人気を誇っていたが、政府の防衛力抜本強化の余波が及んだという。ファンが「残念」と語る決定の背景は――。

 総火演は陸自富士学校(同県小山町)の学生たちが火力戦闘や陸上作戦を学ぶ教育活動の一環として、1961年に始まった。富士山の裾野に広がる約8800ヘクタールの演習場に、戦車やりゅう弾砲などさまざまな火力装備が登場。
一般客や招待客らが見守る中、数百から数千メートル先の標的を狙う。重火砲の爆音は会場の空気を震わせ、その迫力が観客を圧倒してきた。

https://mainichi.jp/articles/20230522/k00/00m/010/216000c