2023年5月24日 6時10分

1997年に神戸市で起きた児童連続殺傷事件で、小学6年生の男の子が当時14歳の少年に殺害されてから24日で26年です。
この事件をめぐっては、去年、事件記録が裁判所で廃棄されていたことが明らかになり、男の子の父親は、「遺族の事件記録を閲覧したいという思いをないがしろにするような行為は絶対に許されるようなことではない」と訴えています。

1997年に神戸市須磨区で起きた児童連続殺傷事件では、小学6年生の土師淳くん(当時11)が当時14歳の少年に殺害されました。

事件から26年になるのに合わせて、淳くんの父親の土師守さん(67)が報道各社に手記を寄せ、「何年たとうとも、亡くなった子どもへの私たちの思いは変わることはありません」とつづりました。

加害者の元少年からの手紙は、6年前を最後に途絶え、ことしも届いていないと明かしたうえで、土師さんは「なぜ次男の命が奪われなければいけなかったのかという問いを、私たちは以前から発し続けています。加害男性は、私たちの問いに答える義務があると思いますし、答えて欲しいと思っています」としています。

また、この事件をめぐっては去年10月、事件記録が裁判所で廃棄されていたことが明らかになり、その後、各地の裁判所でも少年事件や民事裁判の記録が相次いで廃棄されていたことが分かりました。

この問題について、土師さんは「遺族の事件記録を閲覧したいという思いをないがしろにするような行為は絶対に許されるようなことではないと思います。なぜこのようなことが起こったかということをきちんと調査し、それに対する対策を施したうえで、確実な記録保存の手順を確立することが重要だと思います」としています。

一連の問題を受けて最高裁判所は廃棄の経緯などを調査していて、近く報告書を公表し、再発防止策を講じることにしています。





土師守さんの手記【全文】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230524/k10014076361000.html