【独自】専門学校のバーベキュー炎上、生徒死亡 福岡・柳川市、県警が捜査
西日本新聞2023/6/8 6:00 (2023/6/8 11:56 更新)山下 真、河野 潤一郎
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 福岡県柳川市のハリウッドワールド美容専門学校が5月下旬に開いたバーベキューで火災が起き、1年生の男性4人がやけどを負い、うち1人が今月6日に死亡したことが、関係者への取材で分かった。学校が炭などに消毒用アルコールを混ぜており、爆発的に燃え上がったとみられる。県警柳川署は、業務上過失致死傷容疑で捜査している。

 署や市消防本部によると、5月24日午後1時前、「バーベキューの火が洋服に燃え移った」と学校から119番があった。敷地内の屋外で、学生約470人が参加。火をおこしていたドラム缶から4人に燃え移ったとみられる。4人は救急搬送され、うち衣服が燃えて重症だった男性(18)が亡くなった。
 学校によるとバーベキューは全学生を対象に開催。ドラム缶12台に、着火剤や炭のほか、火が付きやすいように手指消毒用アルコールを混ぜていた。うち1台の火が消え、男性教員がアルコールを追加したところ爆発的に炎上したという。他の3人は快方に向かっているという。
 学校は保護者向け文書で「職員の安全ミスで事故を発生させた」と謝罪。男性の死亡を受け、7日に再度謝罪文を出し、同日から臨時休校することを伝えた。
 学校はバーベキュー食事会を年4~5回開催。アルコールの使用は今回が初めてだった。関係者によると、食事会は救急搬送後も続けられたという。

 古賀郁(ふみ)学園長は西日本新聞の取材に「熱中症や肉の生焼けを防ぐため、短時間でしっかり焼こうとアルコールを使った。命の代償を大きく考えています。申し訳ないでは済まされません」と話した。
 総務省消防庁は、消毒用アルコールについて「引火しやすいため火の気のある場所で使わないように」と注意喚起している。
 西日本新聞「あなたの特命取材班」に情報が寄せられ、事故が明らかになった。(山下真、河野潤一郎)