2023/06/16 13:04

 岸田首相が今国会中の衆議院解散は見送ると表明し、今後の解散・総選挙の時期を巡って様々な憶測が飛び交っている。国会会期と解散との関係が取りざたされるのは、国民に信を問う衆議院解散は、衆院の意思が表れる国会会期中に行うべきと考えられているためだ。(デジタル編集部 鳥塚新)

 憲法では解散時期について定めた規約はなく、衆院は「常在戦場」と言われる。理論上は国会の閉会中でも解散は可能だが、衆院解散は国会で争う政治課題について選挙で民意を問うための制度であり、開会中の解散が原則とされている。実際に閉会中に解散が行われた例はない。

 衆院解散の際は、議長が議員全員を集めて開く本会議で、天皇陛下が署名・押印した解散詔書を朗読し、出席議員が万歳するのが恒例だ。ただ、過去には本会議が開かれず、議長応接室で万歳した異例のケースもある。

 過去には、中曽根内閣が衆参同日選をもくろんで決行した1986年の衆院解散がこのケースにあたる。臨時国会冒頭での解散を巡って野党が反発したため、開会後の本会議が開かれず、
議長が応接室で与党の代表らを前に詔書を読み上げる対応をとった。当時の読売新聞によると、応接室で万歳を三唱したのは9人だけで、社会党議員は別室に集まり、「団結ガンバロー」のかけ声で結束を図った。

https://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/20230615-OYT1T50176/