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2023/07/11(火) 09:31:04.17ID:vQwIS0ju9選挙に立候補できる年齢が25歳以上か30歳以上に制限されているのは、国民主権などを定める憲法に反するとして、19-25歳の男女6人が10日、次回統一地方選で被選挙権が行使できることの確認や1人10万円の賠償を国に求め、東京地裁に提訴した。
◆4月の統一選で立候補届け出るも「不受理」
公職選挙法は各選挙で立候補できる年齢を、参院議員と都道府県知事は満30歳以上、その他は満25歳以上と規定している。
6人は東京都や神奈川県、鹿児島県などの大学生や団体代表。今年4月の統一選で、神奈川県知事選や都内の市議選などに立候補を届け出たが、いずれも被選挙権年齢に達していないとして不受理となった。
訴状では、被選挙権は憲法の国民主権原理に照らして重要な権利で、年齢で一律に認めないのは深刻な権利侵害だと指摘。年齢要件について、国は過去の国会答弁で「知識や経験が必要」などと説明しているが、選挙権や国民投票、裁判員などは18歳から認められており「被選挙権年齢だけ高く設定されている理由に合理性がない」と主張している。
総務省の担当者は「訴状が届いていないのでコメントは差し控える」と話した。
◆「本当に今の年齢ラインがいいのか議論が進めば」
若者の声が届きやすい社会に—。提訴後に東京都内で記者会見した原告の6人は、若者の権利が制限されている現状への危機感や立候補年齢引き下げにかける思いをそれぞれ語った。
「世代の代表が政治の場にいない」。若者の政治参加を促す団体の代表理事で、神奈川県知事選への立候補が受理されなかった能條のうじょう桃子さん（25）は、政界へのハードルの高さが、若者にとって生きやすい社会の実現を阻む現状を嘆いた。
留学していたデンマークでは18歳から立候補でき、同世代の政界での活躍を間近に見て来た。日本では、昨年の参院選で立候補年齢の引き下げを公約にする政党が複数あったものの、国会での動きはない。「若い世代の代表がいれば若者向けの施策が増え、低投票率の改善にもなる。裁判を機に、本当に今の年齢ラインがいいのか議論が進めば」と期待する。
鹿児島県出身で気候変動問題に取り組む大学生中村涼夏さん（21）は「議員に会っても、気候変動を喫緊の問題と捉えてくれる人があまりにも少ない。世代間格差の問題としても、若者が政治に参加して声を届けることが重要」と訴えた。
原告側弁護団は、現行の規定は「合理性がなく若者差別だ」と強調する。被選挙権の要件を巡る訴訟は多くなく、亀石倫子弁護士は「国民主権の中心的権利の一つなのに、年齢を理由に戦後長く奪われ、放置されてきた」と指摘。「制度の変化を望む声に司法がどう応えるのか、問われている」と訴訟の意義を語った。（太田理英子）
被選挙権 公職選挙法は選挙立候補の条件として、日本国民であり、参院議員と都道府県知事は満30歳以上、その他は満25歳以上と定める。都道府県議会と区市町村議会の議員は、その自治体に3カ月以上住所があることも要件とされている。
東京新聞 2023年7月11日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/262218
