発達した梅雨前線の影響により秋田県で15日、記録的な大雨となった。8河川で氾濫が起きた。午後5時時点までに秋田市など13市町で避難指示が出され、最高の警戒レベル5に当たる「緊急安全確保」も、同市など4市町の約5千世帯約1万人に発令された。

秋田新幹線では運休が相次ぐなどした。16日は盛岡-秋田間で始発から終日運転を見合わせる。

秋田市消防本部によると15日午前、同市添川地区の住宅が土砂崩れに巻き込まれ、4人が軽傷を負った。

大雨で川の水位が上昇し、五城目町の内川川や秋田市内の太平川などで氾濫が発生した。八峰町の水沢ダムと秋田市の旭川ダムでは午後、大雨により貯水しきれなくなった水を下流に流す「緊急放流」が始まった。

同県内での午後5時時点までの24時間降水量は秋田市で最大287.5㍉、男鹿市で244.0㍉、藤里町で237.0㍉、八峰町で219.0㍉など7カ所で観測史上最大となった。八峰町では既に7月の平年1カ月分を超えた。

朝鮮半島から東北を通って日本の東に延びる前線に暖かく湿った空気が流れ込み、前線は16日にかけて東北に停滞し、活発な状態が続くとみられる。

16日午後6時までの24時間予想雨量は多いところで東北北部で120ミリ、東北南部で100ミリの見込み。

日本経済新聞 2023年7月15日 17:27 (2023年7月15日 18:59更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE151YT0V10C23A7000000/