香港から営利目的で覚醒剤を密輸したとして、覚醒剤取締法違反罪などに問われた暴力団員の男性被告(70)の裁判員裁判の判決が28日、東京地裁であった。浅香竜太裁判長は「違法薬物かもしれないと認識していたとは推認できない」と述べ、無罪を言い渡した。検察側は懲役20年などを求刑していた。
 被告は2021年5月、香港から輸入された荷物を資材置き場で配送業者から受け取ろうとしたとして起訴された。荷物には覚醒剤約132キロが入っていた。
 浅香裁判長は、レンタカー店で覚醒剤を受け取るためのトラックなどを本名で借りていたことから、「荷物との関連が発覚しないよう意識して行動していたとまでは言えない」と指摘。「岸壁の保護材を受け取ってほしいと愛人に頼まれたとする供述の信用性は否定されない」と判断した。

時事通信 2023年07月28日20時09分
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