福島大は28日、カラ出張を繰り返して研究費99万6280円を不正に受給したとして、行政政策学類の40代の准教授を諭旨解雇の懲戒処分にしたと発表した。処分は26日付。


 同大によると、准教授は2012〜22年度にかけ、学会などの案内をインターネットで入手して架空の出張を繰り返し、交通費と日当を不正に受け取った。昨年11月に2日間連続で東京都に日帰り出張する不自然な出張申請が内部監査で発覚。同大は調査委員会を設け、2010年にさかのぼって出張書類を調査した結果、学会や研究会への参加を名目とした日帰り出張計44件が虚偽で、不正受給に当たると認定した。

 准教授は聞き取りに対して架空の出張を認め「(不正受給は)研究用図書を購入するためだった」と説明したという。調査委は図書の領収書と受給分の金額が合わないことなどから、私的に流用したと判断した。准教授は返還の意思を示しているという。准教授は8月7日までに、諭旨解雇に伴う退職勧告に応じた場合、退職金が支給される。

 同大では出張報告書を提出する際、学会などへの参加事実を示す書類の提出が必須ではなく「推奨」と定められていた。同大理事・副学長の佐野孝治、塩谷弘康の両氏らは28日、県庁で記者会見し「出張の事実確認に隙があった。今後は業務遂行が確認できる書類の提出を必須とし、再発防止に努める」と陳謝した。

福島民友新聞 2023年07月29日 08時05分
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