9月5日、大阪府・大阪市は、カジノを含む統合型リゾート(IR)開業への工程などを定めた実施協定案を承認した。開業時期は当初想定の2029年秋〜冬ごろから、2030年秋ごろにずれ込む。

 実施協定は、事業者との本契約に相当し、国の認可後、カジノ運営大手の米MGMリゾーツ・インターナショナルなどが出資する「大阪IR株式会社」と府が、9月中の締結を目指す。

 IRは大阪・関西万博の会場と同じ人工島・夢洲(ゆめしま、大阪市此花区)で開業する予定。カジノだけでなく、高級ホテルや国際会議場なども整備する。

 約1兆800億円だった事業者の初期投資額は、資材価格高騰などの影響で約1兆2700億円に増額された。上振れ分は事業者側が負担する。一方、事業者がIR事業から違約金なしで撤退できる「解除権」は、事業者側の意向で今後、3年間延長し、2026年9月までとした。

 市と事業者が結ぶIR用地の賃貸契約案では、液状化対策などの「土壌課題対策費」を、市が788億円を上限に負担すると明記された。ここに地盤沈下対策費は含まれていない。さらに、開業後に施設を増築した場合、公費負担が増える可能性も浮上している。

「事業者公募に手をあげたのが、MGMとオリックスのグループだけだったことで、当初から、大阪府・大阪市とも事業者の言いなりにならざるをえなかったのです。

 計画では、開業3年後の年間来場者を約2000万人、年間売り上げは約5200億円を想定していますが、数字を出してきたのは事業者のほうです。

 IR用地の年間賃料は約25億円で、市が事業期間の35年で賃料収入を計約880億円と見込んでいますが、この賃料も安いと言われています。

 当初、公費負担はないとされましたが、大阪市は事業者に求められ、土壌対策費約790億円を負担することを決めました。さらに、IR開業後にホテルや展示場の施設を増築した場合の対策費や、想定外の地中埋設物が見つかった場合の撤去費についても、新たに大阪市が負担するとなっては、足元を見られているといわれても仕方がありません」(政治担当記者)

「解除権」が3年間延長されたうえ、さらなる公費負担が増える可能性に、SNSでは批判的な声が多く上がっている。

《MGMの言いなり》

《こうやって公金が湯水の如く注がれる》

《もはや、泥舟リゾート計画は、維新の会の負の遺産だな》

《維新の『身を切る改革』は大阪府民の『身』である事がほぼ確実》

 2025年大阪・関西万博とともに、日本維新の会が掲げる「成長戦略」の目玉とされた大阪IR。だが、大阪万博の開催準備が遅れるうえ、IRでさらなる公費負担増となれば、戦略に疑問符がつくことになりかねない。


9/6(水) 18:03配信   SmartFLASH
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