5時間前

アメリカのジョー・バイデン大統領は5日、ヴェトナム戦争での従軍中に直接命令に従わず、結果的に仲間の兵士らを救ったヘリコプターの操縦士に、軍最高位の勲章を授与した。

ホワイトハウスで「名誉勲章」を受けたのは、テネシー州出身で退役陸軍大尉のラリー・テイラーさん(81)。

米政府によると、ヴェトナム戦争でテイラー中尉(当時)は、操縦していた戦闘ヘリ「コブラ」を銃撃戦のただ中へと飛ばし、生還が絶望的だった米兵4人を救出した。

この日の勲章授与式では、バイデン大統領が、「救出ヘリは予定されていなかった」と当時の状況を説明。

「テイラー中尉は『基地に戻れ』という直接命令を受けた。だが彼の返事も同様に直接的だった。『部下を救い出す。部下を救い出す』と言ったのだ」と述べた。

「テイラー中尉は一人で救出を行った。コブラでそうした行動が成し遂げられたことは一度もなかった」   





どういう状況だったのか

米政府によると、ヴェトナム戦争中の1968年6月18日夜、テイラー中尉の仲間の長距離偵察パトロール隊は、ホーチミン市近郊で敵に包囲され、激しい銃撃を浴びた。

「コブラ」を操縦していたテイラー中尉は、燃料と弾薬が残り少ない状態で、地上の敵から攻撃を受けながら約30分間、低空での攻撃を続けた。

そうするうち、テイラー中尉は、仲間のパトロール隊の脱出ルートが危険なわなになっていることを発見。無線で別の脱出地点を伝えたという。

隊員らがその地点に到着すると、テイラー中尉は「自身の安全は完全に無視して」ヘリコプターを着陸させ、隊員4人を乗せた。

ヘリは2人乗りでスペースがなかったため、隊員らは機体の外側でしがみつかなければならなかったという。

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