2023年12月21日 20:45
政府は国の特別機関である日本学術会議を独立した特殊法人に移行させる。外部資金を取り入れ、会員選考の方針に第三者の意見も反映させる仕組みにする。
組織改革で軍事と産業の両方に使える軍民両用(デュアルユース)技術の推進など幅広い研究に弾みをつける期待がある。



学術会議のあり方を話し合う有識者懇談会は21日に「国とは別の法人格を有する組織になることが望ましい」と書いた報告書をまとめた。政府は報告書を受けて、法人化の方針を決める。

学術会議の改革を担う松村祥史国家公安委員長が22日、法人化する方針を表明する見通しだ。政府は学術会議と協議し、特殊法人化に向けた法律の整備作業を進める。

菅義偉前首相が学術会議側の推薦した会員候補6人を任命拒否し、組織改革論が浮上した。およそ3年にわたる議論は節目を迎える。

科学者の代表機関である学術会議は国の組織だ。会員は会議の推薦で首相が任命し、特別職の国家公務員と位置づける。

政府の新たな方針で、会員については「独立性・自律性を踏まえつつ透明かつ厳正なプロセス」で選考する。外部から意見を聞く委員会を設置する。

財政基盤は国の支援を認めつつ、独立性を徹底するために収入の多様化を求める。外部から資金を獲得できるよう手助けをする。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA20D2X0Q3A221C2000000/