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<令和のリアル>「日本は緩やかな身分社会」 気鋭の教育学者が懸念する「教育格差」 [請安息吧★]
0001請安息吧 ★ [US]
垢版 |
2023/12/23(土) 11:51:44.35ID:o/PrLNk49
親の学歴や世帯年収、職業など子どもには選択できない「初期条件」によって、教育の結果に差が生まれるのが「教育格差」だ。気鋭の教育社会学者、龍谷大の松岡亮二准教授(教育社会学)は膨大なデータを読み解き、戦後日本社会を「緩やかな身分社会」と呼ぶ。教育格差の是正に有効な“処方箋”はあるのだろうか。【聞き手・坂根真理】

 ――「教育格差」とは、どのように決まるのでしょうか。

 ◆「初期条件」を示す指標として国内外で広く使われているのは、保護者(以下、親)の学歴▽世帯年収▽職業などを統合した概念である社会経済的地位(Socioeconomic status、以下SES)です。

 出身家庭のSESや地域という子ども本人に変えることができない初期条件によって、学力や最終学歴といった教育の結果に差がある傾向を「教育格差」と呼びます。

 一方で、日本は最終学歴によって就業状態や収入などに差がある学歴格差社会でもあります。初期条件が学歴を介して人生の可能性を制限しているので、「緩やかな身分社会」と言えます。

 ――教育格差の一例を教えてください。

 2001年に生まれた子どもを追跡調査した「21世紀出生児縦断調査」(厚生労働省・文部科学省)を分析すると、例えば、中学1年生の時点で大学進学を具体的な進路として選んでいた子どもは、両親大卒層の約6割▽両親の一方が大卒層で4割▽両親非大卒層で2割――でした。つまり、親が大卒ではない場合、子どもはそもそも大学進学を希望しない傾向があるわけです。

 “両親大卒”のようにSESが高い層では、子どもが小学生の時点で将来の大学進学を前提としていて、習い事をさせたり塾に通わせたりといった子どもの学習機会を充実させる子育てが一般的です。そのような家庭で育つ子どもは、親の期待を内在化して大学進学を自分の希望とするようになると考えられます。

 一方で、親が大学に進学したことのないSESが低い層では、親は子どもの生活時間に積極的な介入を行わず、子どもが大学に進学することを現実的な進路として期待しない傾向があります。

 ◇経済支援だけでは埋まらない進学意欲の格差

 ――大学進学は進学意欲の有無に左右され、その背景に「初期条件」があるということでしょうか。

 ◆出身家庭のSES、出身地域、性別といった初期条件によって大学進学意欲に差がある傾向はデータで繰り返し確認されてきました。このような進学意欲格差という傾向は、学力を考慮しても見られます。

 言い換えると、同じ学力でも、出身家庭のSESなどによって進学意欲に差があるわけです。奨学金や授業料無償化の議論では、経済的に苦しいけれど大学進学を望む子どもが支援対象であって、初期条件によってそもそも大学進学を選択肢に入れない層は視野に入っていません。

 進学意欲を持つかどうかを子どもの自己責任にするのではなく、教育行政は、初期条件によって大学進学を望む割合に偏りがある実態と向き合う必要があります。

 ◇最も進学を望まない傾向が強いのは

 ――特に注目すべき「初期条件」はありますか。

 ◆日本では、出身家庭のSES、出身地域、それに性別の三つが主要な初期条件です。具体的には、親が非大卒を含む低SES家庭出身、地方出身、女性であると、子ども自身が大学進学を望まないし実際に進学しない傾向があります。

 一方で、“両親大卒”といった高SES家庭出身、都市部出身、男性であると高い割合で大学進学を望み、実際に大卒となりやすいです。どちらの層も、初期条件によって「今の人生を選んだ」というより、親の期待や目に見える範囲の同級生などを基準にして「自然」とそのような選択をしたという自己認識の人が多いかもしれません。

 どちらの人生が正しいというわけではありません。ただ、非大卒と大卒では、就業状態や収入という社会経済的な結果に格差がありますし、それらが次の選択肢を広げたり制限したりする格差社会という実態があります。

 なお、近年増加している外国籍や日本語が第一言語ではない家庭環境も、教育行政が重点的に支援すべき初期条件の一つと言えます。

 つづきます、ソースのつづきに
0002請安息吧 ★ [US]
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2023/12/23(土) 11:52:04.40ID:o/PrLNk49
つづき

◇中学受験熱の背景にも「初期条件」

 ――首都圏では中学受験が過熱しています。

 ◆先ほど例に挙げた「21世紀出生児縦断調査」を分析したところ、東京都区部の両親大卒層で公立中学校に通う生徒の割合は53%ですが、両親非大卒層だと88%でした。同じ東京都区部居住であっても国私立校や中高一貫の公立校を選ぶ家庭は両親大卒層に大きく偏っているわけです。ですので、首都圏というより、首都圏在住の主に両親大卒層の中学受験熱と言えます。

 ただ、地域格差がないわけではありません。そもそも98%の児童が通う公立小学校であっても、日本全体を対象としたデータを分析すると、児童の出身家庭のSESによって、平均的な学力や通塾率を含むさまざまな観点で学校間格差があります。

 大学進学を前提として学習する同級生が多い公立校とそうではない学校が同じ日本社会の中にあるわけです。他国と比べると日本の義務教育はかなり標準化された制度と言えますが、それでも広い意味での教育環境は同じではありません。このようなSESによる学校間格差は、例えば、一つの政令指定都市の中の公立校間にも見られます。「小学校であればどこの公立校も同じ教育環境」ではないのが実態です。

 ◇「ありえたかもしれない人生」を想像してほしい

 ――教育格差への処方箋は。

 ◆診断が不適切であればどんな最新の薬や手術も効果がないどころか副作用が起き得るわけで、データがないと議論の出発点であるはずの「教育の現状」すら把握できません。データで社会全体の実態把握を継続的に行う必要がありますが、現時点で分析可能なデータはかなり限られています。

 少子化が進んでいる現在でも日本社会の規模は個人の見聞で把握できるほど小さくありません。小学校は約1万9000校、中学校は約1万校、高校は約4800校あります。1学年あたりの児童生徒数は約100万人です。このような規模の社会を理解するためには社会全体を対象とした定期的なデータ収集と研究者による分析が欠かせません。

 ――教育格差をなくすために、我々ができることはあるでしょうか。

 ◆自分の経験や視界に入る事例は、社会全体の一部に過ぎないと意識するだけで、より建設的な実践と政策の議論が可能になるはずです。

 もし自分自身の出身家庭のSESが違ったら、出身地域が違ったら、性別が違ったら、地元の小中学校と同級生が違ったら、高校や大学の受験制度が違ったら――と、想像してみてください。初期条件のうち一つでも違ったら、違う時代や国の教育制度だったら、異なる最終学歴になって、別の職業を選んでいたかもしれない。そうやってデータに基づいて「あり得たかもしれない人生」を考える人が増えれば、初期条件に関わらずすべての子どもが自身の可能性を追求できる条件整備のための建設的な議論が主流になる、と私は考えています。一人でも多くの人が教育格差の実態と向き合い、あるべき教育についてデータを踏まえた上で議論する社会になるよう願っています。



12/23(土) 6:30配信 毎日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/71cbf647f1518a81901975e58bcaf21471b939dc
0003名無しさん@お腹いっぱい。 [RU]
垢版 |
2023/12/23(土) 12:17:28.94ID:J7zTihql0
安倍の頃から酷くなったよな
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