2006年12月20日 毎日新聞朝刊より

在職中に異例の辞任を表明した函館市の西尾正範助役(57)は19日の記者会見で
「私のあずかり知らないところで退任が規定事実のように報道されるのは不可解だ。
同じ号に視聴のインタビュー記事も載っている」と西尾助役の批判記事を掲載した
地元の政財界誌「New現代函館」の姿勢を疑問視した。西尾助役はさらに
「仲間を中傷する記事が掲載されているのにその雑誌を職員が庁舎内で売りさばいている」
と憤りを見せた。

「New現代函館」は最新版の07年新年特別号で西尾助役の退任を前提とした
07年4月人事予想を掲載。後任人事に現職部長の実名を報じている。
西尾助役によると、同誌が西尾助役の批判記事を展開した背景には、昨年10月以降、
市街化調整区域に有料老人ホーム建設を計画する会社の顧問として同誌の
河野玄編集・発行人が高尚に訪れ、今年になって市側が「法的に建設できない」
と拒否したことがきっかけになったという。西尾助役は河野氏から
「市役所をたたき出してやると脅迫された。たたき出されるのではなく
地域の未来の為に戦うため進んで市役所を出る」と語気を強めた。
これに対し河野氏は「脅迫も圧力もかけていない」と否定している。


2006年12月29日 日本経済新聞 31面 抜粋
函館市役所内で情報誌販売代行 市長「改善が必要」
地元情報誌による行政への不当な介入を指摘し、筆頭助役が任期途中で退任する問題に関連し、
函館市の井上博司市長は28日、市役所内で一部職員がこの情報誌の販売を代行していたことを
認め「改善する必要がある」との認識を示した。地方公務員法の服務規程に違反する恐れがある
行為で、市民からの批判が出そうだ。井上市長は販売代行について「部数に制限もある。長年の
流れがあった」としながら、「今回の問題を契機にきちんと本人が購入する手だてをとることが望
ましい」と語った。一方、この情報誌の発行人が筆頭助役ら市幹部に対し、市街化調整区域に
原則立地できない老人ホームの開設を認めるよう要求した問題については「かなり強圧的だった
と聞いている」と説明。ただ「地域のミニコミ誌として定着している。今後取材を受けるかどうかは
ケースバイケースで判断する」と述べるにとどめた。