京都府立医科大付属病院(京都市上京区)が暴力団組長の収監見送りを巡り、
大阪高検などに虚偽の病状を記した回答書を提出したとされる事件で、府警OBが、
府立医大の吉川敏一学長(69)と山口組系淡海一家(大津市)総長の高山義友希受刑者(60)を引き合わせていたことが
15日、捜査関係者への取材で分かった。2人は東山区の祇園で飲食を重ねていたといい、府警は、吉川学長と暴力団組長とのつながりや手術の経緯を慎重に調べる。

 捜査関係者によると、OBは元警部補(58)で、現役時代は主に暴力団対策を担当していた。
2014年6月、職務上必要がないのに暴力団と不適切な交際をしたとして、懲戒処分を受け、
依願退職していた。府警は当時、情報漏えいや現金授受は確認されていないと説明していた。
捜査関係者の説明では、元警部補は、高山受刑者が14年7月に府立医大付属病院で生体腎移植手術を受ける直前に、
吉川学長に紹介したとみられる。吉川学長と当時保釈中だった高山受刑者は祇園で会食をともにするなどし、
同病院の吉村了勇(のりお)院長(64)が同席する場面もあったという。

 病院側は14日の会見で、吉川学長と高山受刑者が病院内で会ったことを認めたが、それ以外の接触については
「分からない」と説明していた。

 吉川学長は内科学が専門。吉村院長は移植外科で、大阪高検などへの回答書は院長名で提出されていた。

 淡海一家は09年2月に山口組の2次団体となった。総長の高山受刑者は指定暴力団会津小鉄会(京都市)元会長の親族で、
山口組の篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体・弘道会(名古屋市)と結びつきが強いとされている。

京都新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170216-00000000-kyt-l26