菅前首相の北九州入り急きょ中止 「麻生vs武田」の因縁が影響か

2月5日投開票の北九州市長選をめぐり、市議会の自民系会派などが推す元国土交通省官僚、津森洋介氏(47)の応援のため、
今月14日に予定された菅義偉前首相の北九州入りが急きょ中止になったことが分かった。背景には自民党内の対立関係がある。
複数の関係者によると、二階派の武田良太衆院議員(福岡11区)に近い市議を中心に菅氏の応援を計画し、武田氏の働きかけで決まった。
津森氏の陣営は14日に市内2カ所で演説を行う方向で調整を進めた。
前首相の応援要請は、党福岡県連を通じて出す必要がある。
このため、市議会自民会派が菅氏の応援を要請し、県連を通じて党本部に申請した。
ところが、菅氏の応援に合わせて、武田氏も演説会場に参加することが判明。
演説会の式次第に武田氏の名前が入っていたという。これに、武田氏と対立関係にある県連幹部が難色を示した。
このことが武田氏側に伝わり、「来てくれるなということか」と激怒したという。結果、菅氏の北九州入りは中止となった。
県連が武田氏の出席を拒否した理由には、麻生太郎党副総裁(福岡8区)と武田氏の対立も遠因となっているとの指摘がある。
両氏は地元福岡の選挙で争った不仲で知られる。
2019年の知事選では、武田氏らが支援した現職と、麻生氏が擁立した武内和久氏(51)が激突し、現職の勝利に終わった。