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『うそはうそであると見抜ける人でないと(担々麺屋は)難しい。』のメニュー

2021年ブレイクした人として年末、間違いなく名前が挙がるのが「2ちゃんねる」創設者の西村博之氏(以下ひろゆき)だろう。もともとネット界隈の有名人ではあったが、いまやマスコミに"論破王"とメディアに取り上げられ、YouTubeも人気だ。ソニー生命が実施した調査では「中高生が将来のことを相談したいと思う有名人」ランキングで3位に入っている。

そんなひろゆきといえば、イメージするのは相手を小馬鹿にするような発言の数々だ。そんな彼の発言をパロディした飲食店がネットで評判となっている。宅配専門の飲食店『うそはうそであると見抜ける人でないと(担々麺屋は)難しい。』だ。

店名は、ひろゆきが2000年、西鉄バスジャック事件が起きた際にテレビの取材を受け発言した「嘘は嘘であると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」との言葉からきている。

店のメニューを見ても「それってあなたの感想ですよね担々麺」「なんだろう、頼んでもらっていいですか?担々麺」「僕の彼女というか奥さんというか家内というか細君というか妻というか...丼」とどこかで聞いたような、ちょっとイラっとする名前が並んでいる。

"ひろゆきすぎる"担々麺店"と評判になった店は、なぜできたのか。同店を運営する『西ノ陣』代表の高尾涼さんに話を聞きた。

――ユニークな店名やメニュー名が話題ですが、いつ頃始められたんですか。

京都から4人で出てきて、4月に上京してゴーストレストラン(客席を持たない宅配専門で販売する飲食店)を始めました。『うそはうそであると見抜ける人でないと(担々麺屋は)難しい』を開いたのは、その1か月後の5月でした。

――なぜ、ひろゆきの口調を真似たメニューにしようと思ったんですか。

もともと坦々麺をメニューに入れることが先に決まっていて、ただ激辛坦々麺とか山椒の坦々麺とか言っても誰も見ない。あまたある店の中からうちの店にたどり着いてもらうため、バズりやすい名前にしようと思いました。

ちょうどその頃、ひろゆきがネットで伸びていて、(YouTubeの)切り抜き動画がめっちゃ流行っていたので「これやな」と思いました。スタッフにも相談はしましたけど、名前は僕が全て決めました。考えた時間は1時間くらいです。

――反響はどうでしたか。

リリースした直後くらいにネット配信者のコレコレがSNSで取り上げはったんで、割とすぐに注文自体は来ました。その後も、いろんな方に反応していただいて、最終的にはひろゆき本人にも届きました。それで死ぬほど儲かったわけではないんですけど、ちょっとは自分たちの名前は売れたんじゃないでしょうか。

――代表やスタッフのどなたかがひろゆきのことを好きだったんですか。

全然。僕らは何も思ってないです。ボケたろかという感じで、ひろゆきに会いたいとも思ってないです(笑)。ほんまにどうでもいい。バズれば何でもよかったんです。本来なら地道に味勝負でファンを増やしていくしかないんですけど、いかんせん僕は坦々麺をそんなにおいしいと思って作ってなくて。

――えっ?

宅配専門でそんなにおいしい坦々麺があるわけないんですよ、麺も伸びちゃうじゃないですか。目の前で作った熱々のものをどんぶりに入れて、とやらないとおいしい坦々麺は作れない。なので、ある程度の味で値段を安くというのが僕の中にはありました。味でファンをつけられないなら話題性かなと思ってつけましたね。