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Paul Ellis/Pool via REUTERS

アマゾンの創業者で民間宇宙企業ブルーオリジン(Blue Origin)を率いるジェフ・ベゾス氏は、人間はいつか宇宙で生まれ、宇宙植民地で生活するようになるだろうと話した。
宇宙植民地は、新しい惑星に移り住むよりも理にかなっていると、ベゾス氏は語った。
火星の植民地化は、スペースXを率いるイーロン・マスク氏やその競合であるブルーオリジンにとって大きな目標だ。
ジェフ・ベゾス氏の未来のイメージでは、人間は宇宙植民地で生まれ、長期休暇に地球を訪れるようになるという。

ベゾス氏は11月10日(現地時間)、アメリカのワシントンD.C.で開かれた2021年のIgnatius Forumで、宇宙やブルーオリジンの計画、宇宙開発と地球環境保全との関係などについて語った。

インタビューの中でベゾス氏は、自身の宇宙植民地 —— 地球の天候や引力を模倣した、浮遊する居住環境 —— のアイデアを膨らませた。この宇宙空間に浮遊し、回転する円筒には、最大で100万人が暮らすことができ、「川や森、野生生物」も存在すると、ベゾス氏は言う。

「数百年後には、多くの人が宇宙で生まれ、宇宙が生家になるだろう」とベゾス氏は話した。

「彼らはこうした宇宙植民地で生まれ、そこで生活し、わたしたちがイエローストーン国立公園を訪れるように、彼らは地球を訪れるようになるだろう」

ベゾス氏が初めて自身の宇宙植民地のアイデアに言及したのは、高校の卒業式で卒業生総代としてスピーチをした時にまで遡る。そして、同氏は先週10日、宇宙植民地の方が別の惑星で生活を再スタートしようとするよりも良い選択肢だと考えていると語った。

「火星を地球化したり、同じくらい大規模な何かをしたとしても…… それもものすごく大変なことではあるが…… それでもせいぜい地球を2倍にするくらいのことだ」とベゾス氏は言う。

「そうすれば、100億人が200億人になるだろう」

"地球の外でどうやって生活するか"をめぐっては、ベゾス氏とイーロン・マスク氏との間に大きな考えの違いがある。マスク氏はスペースXの大きな目標として「火星の植民地化」を掲げてスタートしたが、ベゾス氏の今回の発言はマスク氏に対する間接的なけん制のようにも見える —— マスク氏は、核兵器を使って人間が住めるように惑星を変える必要があるという、SFの世界からそのまま飛び出してきたようなアイデアを支持している(その後、これはうまくいかないとNASAが指摘している)。

一方のマスク氏は、ベゾス氏の計画はうまくいかないと2019年にツイートしている。「(植民地を大きくするには)惑星・月・小惑星から大量の物資を運ぶ」必要があるからだという。

「大西洋のど真ん中に、アメリカを作ろうとするようなものだ」とマスク氏は指摘した。

[原文:Jeff Bezos predicts that people will one day be born in space and will 'visit Earth the way you visit Yellowstone National Park']

(翻訳、編集:山口佳美)

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