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BODY WILDブランド「スタンダード」タイプ(前開き)希望小売価格税込み1100円(グンゼ提供)

 「あっこのパンツ、前が開いてないやつや。でも窓使わないからちょうどよかった」

 新品の男性用下着を購入した家族(40代男性)の声に「んん?」。窓を使わずどうやって用を足してるの? 聞くとトイレではズボンとパンツをずらしているそう。「窓は全然使ってない。開いてる意味が分からない」。会社の男性社員(30〜50代)数人にも尋ねてみると「窓使わんな」「履くときに前後を確認するために役立つぐらいかな」。世の男性はパンツの小窓から用を足しているーーと思い込んでいたので衝撃でした。パンツの窓の現状を調べました。

パンツの窓、年齢が高くなるほど…
 ショピングモールにある下着売り場や大手通販サイトで男性下着を調べると、ほとんどのメーカーで窓のある商品は「前開き」、窓のないものは「前閉じ」と呼んでいました。

 下着メーカー大手グンゼ(本社、大阪市北区)では男性用下着約1500点(タイツなどは除く)を販売しており、このうち前開きは7割、前閉じは3割。同社商品としては前開きタイプの物が多いようです。

 では窓の使用率は?

 同社では今年11月、インターネット調査を実施(対象20代〜60代男性、サンプル数500人)。「普段、あなたは着用されている下着(下物)の前開きを使用されていますか?」の設問(複数回答)に対し、20代〜60代全体では「普段から使用している」52%、「たまに使用している」12.6%、「全く使用しない」31.4%、「前開きがあることを知らなかった」3.6%、「その他」0.4%。「使用する」と「たまに使用する」を合わせると64.6%でした。


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グンゼが行ったインターネット調査の結果より作成

 年代別(サンプル数各100人)で見ると、「普段から使用している」「たまに使用している」を合わせると、20代は55%、30代は62%、40代は53%、50代は64%、60代では89%でした。40代だけ若干使用率が下がるものの、年齢を重ねるにつれ割合が大きくなっていました。

 一方、前開きを全く使用しない、あることを知らないを合わせた「不使用率」は、20代〜60代全体で35%。年代別で見ると、20代は44%、30代は38%、40代は47%、50代は35%、60代は11%でした。

 パンツの窓は年齢が高いほど使用し、不使用率は40代が突出していることが分かりました。

 この結果について同社担当者は「蓄積データが少なく、簡易調査のためサンプル数も少ないため、あくまで推測ですが」と前置きした上で、「男性下着は以前は前開きタイプがほとんどだったため、年齢の高い方は、長年の習慣で前開き部を継続して使用されていると推測されます。40代の不使用率が高い理由については、ちょうどその年代の方がご自身で下着を買う年齢(20代)頃にボクサーパンツが一気に広がり、前閉じタイプも種類が増えて選択肢が広がったことで前あき部を使用しない方が増えていったと考えられます」としました。

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グンゼが行ったインターネット調査の結果より作成

「窓」を使わず用を足すには…
 「前開きを使わない」という人はどのように用を足しているのでしょうか。同社担当者に尋ねると「調査はしたことがないのであくまで推測」とした上で、2つの方法を教えてくれました。

(1)アウターパンツをおろして、下着のウエスト部もしくは左右の裾口から用を足す(2)アウターパンツのファスナーを開けて、下着のウエスト部もしくは左右の裾口から用を足す

腰ゴムや縫い目のないパンツも登場
 同社担当者によると、男性下着の歴史は古くはふんどしに始まり、さるまた(猿股、申又)→ブリーフ→トランクス→ボクサーパンツと新しいカテゴリーの商品が登場。ちなみに、さるまたとは「腰から股のあたりだけをおおう、短い、男性用の下着」(三省堂国語辞典第七版)。古いイメージですが現役の商品です。