◆安倍元首相が中国を強くけん制
自民党・安倍晋三元首相の発言をめぐり、中国が神経をとがらせている。台湾の民間研究機関が開いた会合にオンラインで参加し、次のように発言したためだ。

「台湾有事は日本有事。すなわち日米同盟の有事でもある。この点の認識を北京の人々、とりわけ習近平国家主席は断じて見誤るべきではない」。

安倍元総理は軍事費を拡大させ、台湾への圧力を強めている中国をけん制した。そして、「日本と台湾、民主主義の人々は習近平主席らに、誤った道に踏み込むなと訴え続ける必要がある。軍事的冒険は経済的自殺への道でもあり、台湾に軍事的冒険を仕掛ければ、中国は深手を負うことになる」と続けた。

この発言に対し、中国は猛反発。いまだ日本の政界で影響力を保っている安倍元首相の発言に神経質になっている。外務省の汪文斌報道官は「公然と、でたらめを言っている。中国の神聖な領土に、第三者が介入するのは絶対に許さない」と怒りをあらわにした。

台湾をめぐる日中の応酬はアジア各国で報じられ、特に韓国メディアでは大きく扱われた。そして、韓国の国民からは日本に対する驚きや称賛の声も上がっている。インターネット上には「日本は中国に物申せるアジアで唯一の国」、「中国に猛反論されるのは分かった上でも、国際社会へメッセージを発信している。韓国政府も見習うべきところがあるのではないか」と肯定的な意見が投稿された。

一方、「かなり強い言葉で、しかも習近平主席の名前を出して非難するとは驚き」、「中国を刺激する発言は心配。台湾に対して、より強硬な姿勢に出る可能性もあるので控えた方がいい」などの驚きや不安の声も上がった。

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