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米ロサンゼルスで2年ぶりにコンサートを開いたアイドルグループBTS(防弾少年団)。 写真=BIGHIT MUSIC

1882年、米国最高の富豪だったウィリアム・ヴァンダービルトはニューヨークの真ん中に邸宅を建てた。当代最高のインテリアデザイナーは内装に赤い垂木が入った竹の天井、螺鈿の蝶が描かれた壁、漆塗りの箪笥、陶磁器など、明らかに「日本風」だった。

同じ時期、フランスでは浮世絵が描かれた扇子がファッション・インテリアとして人気が高まり「日本風」がよく売れた。ロンドンのハイドパークには「日本村」ティーショップが登場し、きものを着てパーティーをしたり日本式の傘を持って歩くのが流行だった。19世紀の西洋は最近の言葉でJファッション、Jスタイルなど「日流」に熱狂した。その後100年以上も日本の文化はファッション、デザインだけでなく、美術、文学、クラシック、大衆歌謡、漫画、アニメーション、文学など世界的に「高級文化」の地位を維持した。

2021年、雰囲気は変わった。中国と東南アジアが中心だった「韓流」が北米と欧州に広がった。女優ユン・ヨジョンが白人の祭りと批判されてきたアカデミー賞助演女優賞を受賞し、韓国ドラマ『イカゲーム』はネットフリックス世界チャート1位になった。ビルボード人気曲チャートで10週間1位になったBTSの最近の米国コンサートには、コロナ感染拡大の中でも約21万3000人が集まった。

高級文化、高付加価値産業の頂点と呼ばれるファッションはどうか。フランスやイタリアなどの高級ブランドが国内やアジアでなくブランド全体を代表するグローバル広報大使(アンバサダー)として韓国スターを起用している。今年だけでもディオールとティファニーがそれぞれBLACKPINKのジスとロゼを、ルイ・ヴィトンがBTSを、サルヴァトーレフェラガモがRed Velvetのスルギを、ロエベがヒョナをグローバル広報大使に選定した。

韓国ブランドを求める人も増えた。最近スペインのZARAが国内ブランドADERとのコラボで出した衣装でヒットし、世界1位スポーツブランドのナイキは歌手G−DRAGONとのコラボですでに3回も運動靴を出している。ルイ・ヴィトンのデザイナーだったヴァージル・アブローが立ち上げた「オフ−ホワイト」はアモーレパシフィックと提携して話題になった。

世界的なファッションジャーナリストでありヴォーグインターナショナルのエディターのスージー・メンケスは2015年、「ソウルはアジアのリーディング都市でなくグローバルブランドの源泉になる時」と話したが、その言葉が現実になっているのだ。

実際、アジアといえばいつも東京が最優先だったブランド品が今ではソウルを先に訪れている。あるファッション業界の関係者は「グローバルファッション時計を太陽で表現すれば上海が午前10時、ソウルが正午、東京が午後3時」と表現した。ユン・ヨジョンは受賞の所感で「運が良かった」と謙虚に話したが、今の韓国文化ブームは決して運ではない。