◆日本の専門家が根拠示し「あり得ない」
一時、深刻な尿素水不足に陥った韓国で、日本が尿素水の供給で混乱していると報道されている。中央日報は「日本では尿素水の価格が10倍近くに高騰し、供給不足が起きている」と伝えている。

韓国では11月に尿素水が足りなくなり、国民の生活に大きな支障が出た。97.6%を輸入している中国が輸出制限をかけたためだが、自国で製造できないため対応に苦慮。尿素水の販売を特定のガソリンスタンドに限定し、1度の購入量も制限した。

尿素水はディーゼル車の運行に不可欠で、韓国はディーゼル車の割合が、日本などの主要国と比べて高い。尿素水不足は国民の足となる自家用車だけでなく、バスやトラックなど交通や運送への影響も避けられなかった。

中国以外の国から尿素水を確保して窮地を脱した韓国だが、地元メディアは日本の尿素水不足を指摘している。ただ、財務省によると、日本が昨年確保したアンモニア約96万トンのうち、77%は国内で生産している。アンモニアは尿素水の原料だ。輸入先には中国は含まれていない。

物流の専門家は、今回の韓国メディアの報道を「事実無根」と真っ向から否定している。その理由を、こう説明する。

「日本でもディーゼル車のトラックが走っていますが、割合はかなり低いです。運送業が尿素水不足の影響を受けているという話は聞いたことがありません。もし、そのような事態となれば、先日の韓国のように政府が何らかの制限をかけます。日本は自国で尿素水をつくる工場がありますし、最近、一部の韓国企業に尿素水の輸出もしていたので、不足はあり得ないです」。

韓国メディアが報じるような心配はなさそうだ。.

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