警察庁の有識者検討会が求めていた自転車運転に対する違反金制度の創設について、同庁は今回の道路交通法改正案には盛り込まない方針を固めた。担当者は「さらに時間をかけた丁寧な議論が必要。引き続き検討する」としている。

 最終報告書は2021年4月の中間報告書と同じく「少額の違反金を課すなど、非刑罰的な手法も含め、違反の抑止のために実効性のある方法の検討」を求めた。立件されても起訴率が低く、刑事罰が問われない現状への強い問題意識がある。

 しかし、自転車の取り締まりは都道府県警で力の入れ方に差があり、全国一律での実施は現場で混乱が生じることなどから今回は見送りが決まった。自転車利用者からの反発が予想されることも考慮したという。同庁は今後、交通ルールの周知の徹底を図る。

 一方、同庁はすべての自転車利用者にヘルメットの着用を努力義務とする方針。自転車のヘルメット着用は08年から、13歳未満の子どもにかぶらせる努力義務が保護者にあった。道路交通法の改正で、年齢問わずに利用者本人全員に拡大する。【町田徳丈】

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