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キャシーさん(左)とジョンさん(キャシーさんのフェイスブックから)

 米国で大雪による大渋滞で数十台の車が立ち往生。ある製パン会社の取った対応が話題になっている。

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 メリーランド州エリコットシティーに住むジョン・ノエさん(24)と妻のキャシー・ホリハンさん(23)は1月3日午前11時、ノースカロライナに住むジョンさんの家族に会うために車で出発した。

 天気予報で雪になることは分かっていたが、〈幹線道路は大丈夫だろう〉と甘く考えていた。それに翌週には、空軍に勤務するジョンさんがドイツに転勤になるため、その前に何とか家族と会っておきたかったのだ。

 しかしその日の夕方、ジョンさんたちは、大雪のため首都ワシントン郊外の州間高速道路95号線で身動きが取れなくなった。数十台の車が立ち往生し、近くの街はほとんどが停電。翌日になっても事態は改善しなかった。

「車内で眠り、21時間、何も食べる物も飲む物もありませんでした」とキャシーさん。

 2人は自分たちの車の前のトラックが「シュミット・ベイキング・カンパニー」という製パン会社のものであることに気がついた。

ダメ元でカスタマーサービスに電話

「あのトラックの中にはパンが積まれてるんだろうなあ」「食べたいね」などと話していた2人は、ダメ元でシュミットのカスタマーサービスに電話をし、「食べ物もなく身動きが取れなくなっている人びとにパンを販売していただけませんか」と頼んでみた。

 20分後、キャシーさんのスマホに、なんとシュミットの親会社のH&Sベイカリーの共同オーナー、チャック・パーターラキスさん本人から電話がかかってきた。

 トラックの運転手のロン・ヒルさんにパンを人びとに配るように指示したので食べてほしいという。

 ジョンさんとキャシーさんは大喜び! ロンさんを手伝い、1時間ほどで約50台の車に乗った人びとに約400個のパンを配った。もちろん、みんな感謝感激だ。

 2人は最後にロンさんから自分たちのパンをもらい、空腹を満たした。キャシーさんは米紙「スターズ・アンド・ストライプス」にこう語った。

「これまでの人生で最高の食事でした」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299609