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今は一年で一番寒い季節。節分を迎え立春を過ぎると、春の足音がだんだんと聞こえてきます。節分は2月4日の立春の前日なので、今年は2月3日となります。

節分の定番行事といえば、まずは豆まき。地方によっては柊鰯(ひいらぎいわし/柊の枝に焼いた鰯の頭を刺した魔除け)を飾ったりします。

恵方巻きも節分に食べられていますね。

この恵方巻き、節分が近づくとコンビニやスーパーに大量に並べられますが、全国区の行事になったのはそれほど古いことではありません。

食べ方にも決まりがあります。この点について、歳時記×食文化研究所の北野智子さんに伺いました。
恵方巻きの習慣は“西高東低”

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ウェザーニュースでは、「恵方巻を食べる予定は? 」というアンケートを実施しました。結果は「予約する・予約済」が12%、「当日買う・食べに行く」33%、「自宅で作る」8%、「予定なし」47%という回答でした。

全国的には5割以上の人が食べていることになります。この回答をエリアで見ていくと面白いことがわかりました。棒グラフのように近畿では「予定なし」が27%と少なく、7割以上の人が食べているのです。

中国、四国でも「予定なし」がそれぞれ38%、30%という結果で、食べている割合が全国的にも多いことがわかります。

対して関東、東北、北海道では、「予定なし」が5割以上という数字。どうやら恵方巻きの習慣は“西高東低”ということがいえそうです。

「アンケート結果が“西高東低”となるのは、恵方巻きの起源が商都として栄えた大阪にあるからです。

諸説ありますが、幕末から明治時代にかけて大阪の船場で事業を営む旦那衆が、芸子さんたちと太巻1本を丸かぶりする大尽遊びをしていたことが始まりとなったといいます。

同時に縁起をかついで、商売繁盛や無病息災などの願い事をするようにもなりました」(北野さん)
全国的に広まったのは1990年代以降
「丸かぶり」することから恵方巻きは、「丸かぶり寿司」ともいわれます。そもそも海苔巻き文化は、関東と大阪では大きく異なります。

大阪の海苔巻きが中巻きや太巻きであるのに対し、江戸前寿司は細巻中心。もともと太い海苔巻きは、大阪に定着していた食文化だったのですね。

「丸かぶりは旦那衆の大尽遊びだけでなく、縁起担ぎを大切にしてきた花柳界(招き猫の習慣も花柳界の発祥)でも古くから行われていたようです。

これを知った大阪の寿司屋などが商売に結びつけたり、海苔業界がキャンペーンを行うことで、広く一般に知られるようになったようです。

そうはいっても今日のように、国民の5割近くの人が食べるようになったのは1990年代以降のこと。