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 北京五輪の男子カーリングで、ひときわ脚光を浴びている選手がいる。アメリカ代表のセカンド、マット・ハミルトンがそのひとだ。

 野球帽をかぶってワイルドなブロンドの長髪をなびかせ、鼻の下には立派な口ヒゲ。左腕のタトゥー、ポケットには蛍光グリーンのキャップを入れ込み、足元はカラフルなナイキ・スニーカーでキメている。中国のファンの間ではすっかり人気者で、彼が会場に入場してくるだけでスタンドが沸くほどだ。

 かなり個性的な風貌で特大のインパクトを与えている32歳だが、あえて髪を伸ばしたり、目立とうとしているのには明確な理由がある。

 英公共放送『BBC』によると、「ハミルトンが髪を伸ばしているのは脳のガン研究の募金を募るためだ。髪は時が来ればカットし、それもガンと闘う子どもたちのウィグ(カツラ)基金に寄付すると決めている」のだという。

 4年前の平昌五輪でカーリングの男子アメリカ代表は金メダルを獲得し、ハミルトンもその栄光のメンバーに名を連ねた。大会直後から非営利団体である「スタッシュストロング(Stache Strong)」の活動に共鳴し、脳ガン研究のために尽力してきた。同団体はこれまでに170万ドル(約2億円)の基金を集めている。

 ハミルトンは自身のSNSで「みんなで真剣に考えようよ。ガンは誰にだって影響してくるもの。家族、友人、あなた自身にもね。さあ、みんなでガンに打ち勝とう!」と語りかけ、スタッシュストロングへの寄付を呼びかけている。

 今大会ではアメリカ代表の試合が行なわるたびに、全米のカーリング・クラブがツイッター上で募金への協力を促しており、大きな成果を挙げているという。男子アメリカ代表は第8戦を終えて4勝4敗の4位。木曜日に最下位デンマークとの最終戦に勝利すれば、準決勝進出が決まる。

構成●THE DIGEST編集部

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