韓国の全国経済人連合会(全経連)が政府に対し、ウォンの基軸通貨編入を国際通貨基金(IMF)に働きかけるよう提案した。
主要各紙が報じた。
輸出規模などから編入の資格は十分などと主張。基軸通貨になれば長・短期的経済効果は112兆8000億ウォン(約10兆8528億円)に達すると予想した。

IMFの特別引出権(SDR)バスケットを構成する通貨はドル、ユーロ、円、ポンド、人民元の五つ。
国家間の貿易や資本取引において一般的に通用するため、広い意味での基軸通貨と呼ばれる。

現在のSDRバスケットの構成比率はドルが41.73%、ユーロが30.93%、
人民元が10.92%、円が8.33%、ポンドが8.09%。
SDRは基軸通貨に対する交換権であり、IMF加盟国の対外準備資産として用いられる。

人民元が編入されたのは2015年11月だ。
IMF理事会はおおむね5年ごとにSDRバスケットの通貨構成、および各通貨の編入割合を検討して調整する。
当初は2021年に行われる予定だった理事会は、コロナ禍を受け22年半ばに延期されている。

中央日報などによると、全経連は13日にまとめた報告書でウォンが基軸通貨になれるという根拠として
@韓国の経済的地位
AIMF設立目的と合致
B世界5大輸出大国
Cウォンの国際取引の割合上昇
D韓国政府のウォン国際化に向けた努力―などを挙げた。

2020年基準で韓国の国内総生産(GDP)は世界10位、貿易額は世界9位。
1月基準で国際格付け(S&P)もAAで、既存のSDR通貨バスケット編入国の日本と中国のA+より高い。
株式市場の時価総額は世界9 位水準だ。

報告書は「こうした韓国の経済発展はIMFが追求する国際通貨協力と為替相場安定、経済成長という指向とも合致する」と指摘。
「韓国は世界で初めて被援助国から供与国へ跳躍した。
韓国の輸出額はIMFが提示したSDR編入要件のうち輸出条件に当たる輸出規模世界5位圏もクリアした」と強調した。

さらに国が貨幣発行によって得る利益で貨幣の額面価値と製造コストの差額を指し、基軸通貨となった場合、
海外での流通のために追加発行することによる利益を意味する「シニョリッジ効果」が87兆8000億ウォン(約8兆4500億円)に上るとも試算した。

ハンギョレ新聞によると、全経連のチュ・グァンホ経済本部長は
「IMFが提示しているSDRバスケットへの編入条件と韓国の経済的地位を考慮すると、
ウォンの資格は十分だ。政府はウォンのSDR編入方策を検討する必要がある」と述べた。

米ブルームバーグ通信は人民元がバスケットに編入される際、次の編入通貨候補の第1位にウォンを挙げた。2位はシンガポールドル、3位はカナダドルだった。(編集/日向)

https://www.recordchina.co.jp/b889605-s39-c20-d0059.html