立憲民主党は、夏の参院選で勝敗のカギを握る改選数1の「1人区」で与野党対決の構図を作るため、近く野党各党に党首会談など幹部協議を求め、野党候補の一本化を呼びかける。全国32ある1人区で、候補者調整が遅れていることへの危機感がある。立憲の泉健太代表は14日夕の党執行役員会で、「私から各党に1人区の調整でアプローチしたい。政権に対峙(たいじ)する選択肢作りに最大限取り組む」と訴えた。

 野党陣営は現在1人区で推薦候補も含め、秋田、山形、富山、滋賀、岡山、香川、長崎、宮崎の8選挙区で競合。立憲は野党各党に候補者調整を呼びかける方針だが、過去の選挙で調整の実績が乏しい日本維新の会は呼びかけから除外する可能性もありそうだ。

 野党候補が一本化された過去2回の参院選では、2016年2月と19年1月にそれぞれ野党党首会談で協力を確認していた。今回、大幅な調整の遅れは、昨秋の衆院選で野党第1党の立憲が敗れ、党内が混乱した影響が大きい。立憲、維新、国民民主、共産、れいわ新選組、社民の野党6党のうち、れいわ、社民は1人区での候補擁立がゼロ。自民党が1人区の擁立をほぼ終えつつあるのとは対照的に、宮城、福島、石川、三重、和歌山、山口、熊本の7選挙区は野党候補が一人もいない「空白区」になっている。立憲幹部は「擁立したい気持ちは強いが、候補者の確保が難しい」と話す。【宮原健太】

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