49歳と8か月――。私が結婚した年齢です。50の大台に乗る一歩手前で、ようやく嫁に行けました。20代の頃から結婚願望を強く持っていましたから、苦節20数年。それはそれは苦しく険しい道のりを歩んでまいりました。
 40代以降で結婚できる確率は、1〜2%と言われています。有名人が40〜50代で「大人婚」したなんてニュースを見ると、「いつか私も」という希望が湧いてくるかもしれませんが、現実はそんなに甘くはありません。実際、私の周囲でも40歳を過ぎて結婚にこぎつけた人はとても少ない。結婚したくてたまらないのに、恋人すらいない人がゴロゴロいます。ですから、50歳目前での私の結婚は、奇跡といってもいいでしょう。

 47歳と1か月。崖っぷちどころか、崖から指一本でかろうじてぶら下がっていた私の目の前に突如現れたのが、夫でした。彼は崖下に落ちんばかりの私を救い上げ、結婚してくれたのです。名づけるなら、「救助婚」です。
 果敢にもレスキューに挑んでくれた夫は、7歳年下。底抜けに明るくて、とても優しい人です。実年齢こそ私のほうが上ですが、まるで娘のようにすっかり面倒を見てもらっています。精神的支柱にもなってくれています。何より、毎日一緒にごはんを食べて、くだらないことで笑って……。まさに、「なんでもないようなこと」の幸せをかみしめています。結婚っていいもんだなあと、しみじみ感じています。

 仕事は順調でした。なのに、恋愛はうまくいかない。私のこれまでは、ずっとそんな状態でした。それなりに恋愛もしてきましたが、頑張っても頑張っても結婚にたどり着かないのです。今でこそ初婚年齢は上がりましたが、かつては25歳が結婚適齢期。30代前半になるとさすがに焦りはじめ、自分に何か問題があるのではないかと考えるようになりました。
 私は心理カウンセラーをしていますが、実はカウンセリングを学び始めたのはこのことがきっかけでした。結婚できないという自分の問題をなんとかしたくて、心理を学ぼうと考えたのです。心理を学び、書籍も読み漁って、なんとなく原因はわかっていったのですが、それでも結果は出ません。恋愛カウンセリングを得意とするカウンセラーのもとに通ったりもしましたが、願いは叶わず、とうとう40代に突入してしまいました。当然、男性からお声がかからなくなっていきます。
 地下鉄の窓に映る、疲れて垂れ下がった自分の顔に愕然とし絶望を覚えたことも、枕を涙で濡らした夜も、一度や二度ではありません。しかし私は諦めなかった。なにせビジネスでは「私の辞書に不可能という文字はない」という信念で結果を出してきた私です。だから結婚も不可能なはずはないと信じ続け、結果を出したのです。
 とはいえ、40歳を過ぎた女がただただ信じてさえいれば結婚できるわけではありません。そこに至るには、いくつかの自己変革が必要です。心理を学び、私なりに編み出して実践したその自己変革方法を、「40歳をすぎたあなたが結婚をつかむための17か条」として、この連載で披露していきます。
 もう私には結婚は無理……と諦めかけているあなた。どうぞ諦めないで。大丈夫、あなたもきっと、幸せな結婚ができます。