野党国会議員でつくる沖縄等米軍基地問題議員懇談会が10、11の両日、西之表市を訪れ、米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転と自衛隊基地整備が計画される同市馬毛島を初めて視察、八板俊輔市長や計画反対派の市民と意見を交わした。懇談会長の近藤昭一衆院議員(立憲民主)に基地整備に対する考えや今後の向き合い方を聞いた。

 −視察した印象は。

 「予想以上に種子島から近く、住民が騒音や環境問題を懸念するのがよく分かった。訓練機の航路についても、沖縄では防衛省の説明と乖離(かいり)があるのが実情だ。安全保障は大切だが、武力で平和はつくれない。地元に反対の声が多く、われわれは馬毛島への基地建設に反対する」

 −馬毛島問題にどう取り組むか。

 「(計画について)総理が丁寧に説明すると言っているのに、防衛省は情報を出さない。今回も建設予定地への立ち入りをかたくなに拒まれた。総理の言葉との整合性はあるのか。視察できなかった点を改めて問い、実際に見て感じた疑問点や地元の頭越しに進む手続きをただしたい」

 −旧民主党政権時に日米安全保障協議会委員会(2プラス2)の共同文書でFCLP移転候補地として馬毛島が明記された。当時、環境副大臣だった。

 「過去の流れを問われるが、新たにつくられた政党として判断する。当時政府として決定したことは、私も所属議員としていささかどうかなと思った。議員懇の考えを伝え、党として取り組むよう要望する」

 −夏の参院選で馬毛島問題にどう向き合うか。

 「個別の重点政策に挙げることはないと思うが、党が取り組む安全保障問題の一つではある。計画に抗するには野党共闘が必要だ。超党派の議員懇が取り上げることで共闘していく」

 近藤昭一(こんどう・しょういち) 1958年生まれ。愛知3区選出(9期目)。米軍普天間基地問題の解決や日米地位協定の見直しを目指し、2005年に設立された沖縄等米軍基地問題議員懇談会の会長を12年から務める。党内最大グループ「サンクチュアリ」会長、原発ゼロ・再エネ100の会共同代表。

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