『うんちの行方』(新潮社)という新書がある。
下水を嗅ぎ、汚水処理場に潜り、“5分でうんちが飲料水になる”最新技術に触れるなど、うんちにまつわる疑問を徹底取材した、いたって真剣にうんちの行方を追った良書である。
その著者である神舘和典さんと西川清史さんに企画背景を伺った際、
「例えば、モルディブなどの高級リゾートでは海に浮かぶコテージがありますが、うんちの処理はどうなっているんだろうか、とか、地下深い地下鉄の駅の下水はどうなっているのか。水は高きから低きへと流れるわけで、あの深さでどう処理されているのか――、改めて考えるとよく分からないまま生きているなと思ったんですね」
と教えていただいた。
「言われてみれば!」。
そんなふうに膝を打ってしまうことって、実は日常の中に数多く潜んでいる。たしかに、モルディブの水上コテージのトイレはどうなっているんだろうか? 

その一年後、なんとモルディブへ行く機会に恵まれた。訪問先は、モルディブの首都・マーレから国内線で南へ約50分の距離にあるガーフアリア環礁に浮かぶクードゥー島。そこからさらにボートで15分ほどあるのが、島全体がリゾートとなっているマームター島だ。
誰もが何となく見たことがあるだろう“あの水上コテージ”もばっちり完備する「プルマン・モルディブ・マームター・リゾート」(以下、「プルマン」)で、のんびりと過ごしていると、あの疑問が鎌首をもたげてきた。
「水上コテージのトイレって、どういう仕組みになってんだろう?」
異国を訪れると好奇心が育ちやすくなる。誰に頼まれたわけでもないが、気になってしまったからには仕方がない。モルディブリゾートのトイレ事情は、一体どうなっているのか――調べてみた。

我妻弘崇
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