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日産、「ダットサン」の生産を終了へ 100年超の歴史に幕
BBC News
2022年4月25日


自動車メーカーの日産は、100年以上の歴史を持つ「ダットサン」の名称での自動車生産を中止することを25日、明らかにした。

ダットサンは、日本の自動車メーカーが第2次世界大戦後に世界的な地位を確立するのに貢献したブランドの1つだった。

世界中で何百万台もが売れたが、ダットサンという名前は1980年代に徐々に消えていった。

それから30年たって、日産はこのブランドを復活。新たな車種を「日産のDNAの重要な一部」と表現していた。

日産の広報はBBCに、ダットサンの在庫は引き続き販売し、所有者にはアフターサービスを提供していくと説明。顧客満足が最優先であることに変わりはないと述べた。

名称の由来
ダットサンのブランド名が生まれる前、東京の快進社自動車工場が1914年に、DATという名前の自動車を製造した。

DATは、同社の初期の出資者3人の名字「田」、「青山」、「竹内」の頭文字をとったものだった。また、非常に速いことを意味する「脱兎」の意味も込められていた。同時に、Durable(耐久性がある)、Attractive(魅力的)、Trustworthy(信頼できる)の略でDATだと宣伝された。

1933年、日産の創業者鮎川義介氏が快進社を引き継いだ。

日産は1930年代前半に、経済的で軽量な自動車「DAT-son」(DATの息子)を発売。その後、名前を「Datsun(ダットサン)」に変更した。

ダットサンは、日本の自動車メーカーが戦後に欧米やアジアで地位を確立するのを支えたブランドの1つとなった。

日産にとっては、世界に展開する主要ブランドの1つだった。

燃費の良いダットサンは1970年代、信頼性が低くガソリンを大量消費する車に代わる選択肢として売り出された。世界190カ国で約2000万台が売れた。

しかし、1981年以降、ダットサンの名前は徐々に廃止され、「日産」が国際的に主要ブランドになった。

2012年、日産はダットサンのブランド復活を発表。インドやインドネシアなどで、ダットサンの名前で販売した。

日産は低価格帯のモデルで新興国をターゲットにしたが、販売は近年低迷してきた。

日産は25日、世界的な変革戦略の一環として、「顧客やディーラーなどに最も利益をもたらすコアモデルとセグメント」に絞る方針を示した。

(英語記事 Nissan signals the end of the road for Datsun cars)

https://www.bbc.com/japanese/61214102