韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)次期大統領が日本に派遣した「政策協議代表団」は27日、自民党の安倍晋三元首相や立憲民主党の泉健太代表らと会談した。代表団は26日には公明党の山口那津男代表とも意見交換するなど与野党の幹部らと協議を重ねた。

 安倍氏は安倍政権下の2015年に慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった日韓合意などを巡り、韓国側に具体的な解決策を示すよう迫った。泉氏は新政権誕生に祝意を伝える一方、慰安婦や徴用工問題について「未来志向で解決していかなければならない。徴用工問題で我が国企業の資産の現金化は絶対あってはならない」と伝えた。山口氏は北朝鮮による日本人拉致問題などで韓国側の協力を求め、会談後、記者団に「関係改善に対する意欲がはっきり出ている」と評価した。

 代表団は、次期政権で与党となる「国民の力」所属の鄭鎮碩(チョンジンソク)国会副議長が団長を務めた。代表団は28日に帰国する。【宮原健太、畠山嵩】

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