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日本大使館前の慰安婦像を囲む水曜デモ参加者(2012年) 出典 Pudmaker [Public domain], via Wikimedia Commons

文政権で勢力を増した“水曜集会”がピンチ
 ソウルの日本大使館前の路上では、毎週水曜日になると市民団体が集まって慰安婦に対する日本からの謝罪と賠償を求める定例集会が催される。

 その歴史は古く、今年で30周年を迎えるという。今では“水曜集会”の通称も定着し、ソウルの風物といった感もある。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後は、集会参加者が急増し、勢いを増していた。「反日」を象徴する眺めとして日本メディアに取り上げられることも多く、近年は日本人にもよく知られている。

 新型コロナウイルス流行に伴う集会人数制限が行われるようになってからも、オンライン配信を併用しながら毎週の集会は続けられてきた。

 今年3月になって韓国政府の方針が制限緩和に転換したことで、4月20日水曜日の集会は久しぶりに大人数が集まって盛り上がるはずが…、開催が危うい状況になったのだとか。

慰安婦像の設置で“反日運動の聖地”となる
 水曜集会は正義連の通称で知られる「日本軍性奴隷制度問題解決のための正義記憶連帯」(旧韓国挺身隊問題対策協議会)が中心となり1992年に始まった。

 2011年には1000回目の集会が催され、それを記念して集会場所である日本大使館前の歩道に慰安婦像が設置される。

 以後、この像は集会に集まる人々から運動の象徴として崇められ“聖地”となってゆく。

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尹美香前代表 出典 正義連公式フェイスブックページ

保守系団体の妨害と尹美香氏の威勢が失墜
 しかし、その聖地に2年ほど前から「慰安婦は詐欺」とシュプレヒコールを上げる保守系団体が集まり、水曜集会を妨害するようになった。

 昨年5月頃から保守系団体が水曜日を狙って付近での集会届けを提出するようにもなり、激しい場所取りバトルを繰り広げている。そのため、水曜集会は、聖地である慰安婦像前から離れた場所に追いやられるようになる。

 中央日報日本語版によれば、4月20日も慰安婦像周辺は、保守派団体が先取りして集会を申告し、水曜集会を締め出したという。

 聖地を奪われてしまっては、参加者の気勢も上がらない。

 また、集会を主催する正義連も逆風にさらされている。

 幹部たちが元慰安婦の補助金や寄付金を着服している事実も明るみとなり、一般国民はあきれて完全にそっぽを向かれてしまった。