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破壊されたロシア軍の戦車を通り過ぎるウクライナ軍の車両=13日、ウクライナ・ハリコフ北部(AP)

ロシアによるウクライナ侵攻で、東部ハリコフ州のシネグボフ知事は14日、露軍の占拠下にある同州の要衝イジュムに向け、「ウクライナ軍が反攻作戦を開始した」と発表した。地元自治体は「露軍を10キロ押し戻した」と明らかにした。ウクライナメディアが伝えた。ウクライナ軍はイジュムを奪還し、露軍が制圧を目指す東部ドンバス地域の防衛に戦力を集中させる狙いだとみられる。

露軍は当初、ハリコフ市を掌握した後、南下してドンバス地域の前線にいるウクライナ軍を包囲する思惑だったとされる。しかし、ウクライナ軍の抵抗で露軍は損害が拡大。米シンクタンク「戦争研究所」は13日、露軍がハリコフ市周辺から完全撤退を決めた-とする分析を公表していた。

ウクライナ軍参謀本部などによると、露軍は現在、ドンバスの既存占領地域とイジュムの中間に位置するセベロドネツクやリシチャンスク、クラマトルスクの陥落を目指してドンバス方面から前進を試みているが、ウクライナ軍の防衛線を突破できていない。露軍はイジュムを喪失した場合、これらの都市の制圧がさらに困難になる。今後、イジュムをめぐる攻防戦が激化する恐れが強い。

一方、露国防省は14日、東部ルガンスク州のウクライナ軍の複数の弾薬庫や軍事拠点にミサイル攻撃や空爆を行い、最大90人の将兵を殺害したと発表。多連装ロケットランチャーなどもミサイル攻撃で撃破したと主張した。

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