「立憲民主党 ウクライナ」で検索してみたら…
日本の野党が、ウクライナ戦争を前にして、まったく元気がない。維新を別とすれば、戦争を真正面から議論すると「日本はどう国を守るのか」が問われ、自分たちの政策破綻がバレてしまうからだ。夏の参院選で、どんな安全保障政策を掲げるのか、注目しよう。

このコラムを書くために、ネットで各党の政策を検索してみた。

まず「立憲民主党 ウクライナ」で検索したら、何が出てきたか。トップに表示されたのは「同党の小熊慎司衆院議員(福島4区)が大型連休中、国会の許可を得ずに、ウクライナに渡航し、役職を停止された」という話だった。こんな話に興味はない。

立憲のホームページを開いてみると、泉健太代表の大きな写真とともに「生活安全保障」という言葉が飛び込んできた。そこをクリックすると「物価高と戦う」「教育の無償化」、それに「着実な安全保障」という3本柱が出てくる。

安全保障については、「新領域(サイバー・宇宙・電磁波)や情報戦など、新たな分野に対応を」「これまでの日米の役割分担を前提としつつ『日米拡大抑止協議』の活用を」「尖閣を守る領域警備法を制定へ」「防衛費は2%目標ありきでなく、あくまで必要な予算の積算で確保」などと記されている。

この項目を見ただけで、ウクライナ戦争に関心がないのが、よく分かる。

これまで必要項目を積み上げて、防衛費を決めたことがあったか。「防衛費1%枠を守れ」と叫んできたのは、野党と一部の保守系議員ではないか。このあたりは、5月11日に公開した「長谷川幸洋と高橋洋一のNEWSチャンネル」で、自衛隊前統合幕僚長の河野克俊さんが解説しているので、そちらにおまかせしよう。

もう少し、何かないかと思って、同党ホームページの検索欄で「ウクライナ」と入れてみたら、出てきたのは「泉代表らがUNHCRにウクライナ難民支援募金の目録を贈呈」といった募金活動の記事が多かった。

西村智奈美幹事長の会見録も出てきたので、そちらを見ると、岸田文雄首相の外遊に関連して「『わが党としても、これをさらに後押し加速化し、ロシアに対する圧力を強めていく必要がある』と考えを示しました」とあるだけだ。

これくらいで、十分だろう。立憲は事実上、ウクライナ戦争について沈黙している。

今回の戦争は「国連安全保障理事会の常任理事国であり、しかも核保有国のロシアが非保有国のウクライナを武力侵攻し、核で威嚇する」という、戦後世界秩序を揺るがす事態だ。それなのに、立憲はどう対応するのか、問題意識も政策もないも同然である。

つづき
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/95225