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夏の参院選立候補予定者と共に街頭で演説する菅直人元首相=大阪市で2022年5月15日午後1時19分、石川将来撮影

 立憲民主党最高顧問の菅直人・元首相が15日、大阪市内で街頭演説し、夏の参院選大阪選挙区から立憲公認で出馬する立候補予定者の名前を挙げて有権者に投票を呼び掛ける場面があった。公職選挙法は、公示前に特定の候補者へ投票を呼び掛ける行為を「事前運動」として禁止しており、菅氏は直後に発言を撤回した。

 菅氏はこの日の演説で、大阪府と大阪市が誘致を進めているカジノを含む統合型リゾート(IR)を巡り、「参院選は大阪にカジノをつくるか、日本にばくち場を増やすかの大きな選択だ」と主張。共に街頭に立った立憲の立候補予定者の名を挙げ、「カジノではない形で経済を再建させようという候補者にぜひ1票を入れていただきたい」と投票を呼び掛ける発言をした。直後、「ここまで言うと、選挙期間中みたいになって若干言い過ぎになりますが……」と火消しに走った。

 演説後、菅氏は報道陣の取材に「気をつけているつもりだったが、勢いで(言ってしまった)。今の時期に踏み込んで言ってしまった部分もあると思うから、気をつける」と釈明し、発言は撤回したと説明した。

 菅氏は東京18区選出の衆院議員だが、大阪に本部を置く日本維新の会との対決姿勢を強めている。4月には、参院選を見据えて党本部から「大阪特命担当」の特別職を与えられた。菅氏はIRへの反対を訴えることで、IRに賛成する維新や自民、公明との差別化を図る狙いがあるとみられる。【石川将来】

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