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5月20日から日韓を訪問するバイデン大統領 出典 ホワイトハウス

先に訪韓するバイデン大統領
 米国のバイデン大統領が5月20日から5日間の日程で日韓両国を訪問する。

 これについて日本のニュースサイトから「バイデン氏の訪日決定、5月23日に日米首脳会談」「バイデン大統領、5月20~24日に日韓を訪問」などといったタイトルの記事が配信されている。

 韓国でも同様にこのことを伝える記事が多く配信されたが、その視点は日本とはちょっと違うようだ。

 たとえば、4月29日の朝鮮中央日報日本語版のタイトルは、

 「バイデン氏、日本より韓国を先に訪問…来月21日に首脳会談」

 と、なっている。他紙も似たような感じで、バイデン大統領が日本よりも先に韓国を訪問すること、大統領就任後に初めて訪れるアジアの国が韓国だということが強調される。

「日本より先だったか後だったのか?」にこだわる韓国人
 多くの日本人からすれば、「日程の都合上そうなったのでは?」そう考える。おそらく、そんなことを気にする人は少ないと思う。

 しかし、韓国人ではこの順序に対するこだわりが強いようだ。

 米国大統領が就任するたびに「就任あいさつの電話会談はどこの国が最初か?」「韓国は何番目だったか?」に注目が集まる。

 さらには、鉄板のお約束的に「日本より先だったか後だったのか?」に言及する。ここが最も気になるところだ。

「東方礼儀之国」の評価は“事大”の賜物?
 そんな韓国人気質が育まれた理由については諸説がある。よく言われるのが、長らく中国歴代王朝の冊封国だったこと。

 中国の皇帝は、近隣諸国に臣下の礼を求め、見返りにその地を統治する王としての権威を認めてきた。

 冊封国には序列があり、中国皇帝から下賜される印綬や使者の扱いも違ってくる。序列が下がれば王の権威にも影響するだけに、そこには常に神経を使ってきた。

 「東方礼儀之国」

 とは、中国王朝が朝鮮を「礼儀を知る国」として評価した言葉。

 朝鮮王朝は中国皇帝を敬い、中国からの使者には礼を尽くして歓待することから礼儀を知る国として、このような評価を得たという。

 その言葉には侮蔑の意味合いもあったと言われるが、朝鮮国では、この評価を維持することに努力をつづけてきた。

 日清戦争後に清帝国の冊封体制から独立まで、それが国を安定させる最上の国策と信じてきた。

 長い歴史で培われた気質は、そう簡単には変わらない。

 第2次世界大戦後、新たな宗主国として仰ぐようになった米国が、「韓国の序列をどのように考えているか?」は気になるのは当然だろう。

「あまり深く考えないで…」と米政府は困惑
 しかし、米国からすれば、そんなことで一喜一憂する韓国にあきれているようでもある。5月2日には日韓訪問の順番について、

 「あまり深く考えないでほしい」

 と、ホワイトハウスのサキ報道官が多少困惑しながらコメントしている。