0001きつねうどん ★
2022/05/19(木) 08:05:39.18ID:CAP_USERIa型超新星爆発は、連星系をなす白色矮星が起こす大爆発だ。相手の星から吸収したガスにより、太陽の約1.4倍の質量に至った際に発生する。あらゆる銀河で1世紀に1、2度出現し、ピーク時の絶対等級がほぼ一定のため、宇宙の膨張状態の研究にそれらの観測データが活用されてきた。
ヒュパティアストーンはこれまで、アルゴン同位体分析の結果、既知のタイプの隕石や彗星由来でないことが判明している。その後の分析で、太陽系には存在しないリン化ニッケルが見出され、その由来の謎は深まるばかりであった。
ヨハネスブルグ大学の研究者らは、新たに陽子線分析を実施。シリコン、クロム、マンガン含有量が異常に低く、鉄、硫黄、リン、バナジウムが異常に高いことを突き止めた。
この石の元素パターンは、銀河系の一般的な星間物質の組成とは違い、赤色巨星のそれとも異なる。またリン化ニッケルが見い出されたことで、II型超新星爆発由来でもないことも明らかとなった。
宇宙の鉄のほとんどはIa型超新星爆発に由来し、この石の鉄含有量の多さに合致する。また、アルミニウム、リン、塩素、カリウム、銅、亜鉛の含有量が、Ia型超新星爆発モデルで予測される量の10倍ないし100倍にも達し、むしろ白色矮星のそれに近い。その結果、この石は白色矮星に由来する物質と、それがやがてIa型超新星爆発に至り、それによって放出された物質を継承していると結論づけられた。
銀河系の遥か彼方で、遥か昔に起きたIa型超新星爆発により弾き飛ばされた物質が、途方もない時間をかけて太陽系に飛来。地球の引力に捉えられ、たまたまエジプトに落下したのであろう。これは地球で発見された最も長旅を経験した石なのかもしれない。
http://www.zaikei.co.jp/article/20220517/672450.html