0001きつねうどん ★
2022/05/31(火) 21:14:36.23ID:CAP_USERタコメーターの「タコ」は速さを表す言葉?
バイクやクルマなどの乗り物には、スピードメーターや水温計、燃料計などいくつかのメーターが備わっており、その名前である程度の役割が分かるようになっています。
しかし、タコメーターだけは、他のメーター類とは違い、名前だけでその役割を判断することはできません。そのため、乗り物にあまり詳しくない人に「タコメーター」といっても、何を示しているか分からないこともあるでしょう。
そもそも、タコメーターの「タコ」とは、一体なにを意味しているのでしょうか。
タコメーターは、英語でもそのまま「Tachometer(タコメーター)」と表記され、この場合の「Tacho(タコ)」は、イギリス英語で「速さ」を意味しています。
その語源は、古代ギリシャ語「τάχος(英語表記:takhos:タコス)」とされており、同じように速度を意味するとされています。つまり、タコメーターを直訳すると「速度計」となるのです。
そもそもタコメーターは、1817年にドイツ人のエンジニアのディートリッヒ・ウルホーンによって、機械式タコメーターが開発されたことが起源とされています。
ディートリッヒ・ウルホーンは、機械の速度を測定するためにタコメーターを開発したそうで、機械がどれくらいの速度で動いているのかを把握する方法として、クランクシャフトの回転数を用いる方法を採用しました。機械を操作する人は、このタコメーターのおかげで、安全な回転数で機械が作動しているかを確認できるようになったそうです。
そしてタコメーターは1840年代以降、機関車に備え付けられ、速度を測定するために使用され始めました。なぜなら機関車が登場したことにより、人の移動速度が遥かに高速化されたため、どれくらいのスピードで移動しているかを把握する必要があったのです。それ以降は、クルマやトラック、トラクター、バイク、航空機など、さまざまな乗り物にタコメーターが普及しました。
ちなみに、現在広く用いられている、1時間あたりにどれだけの距離を走るのかという時速(km/hまたはmph)を表すスピードメーターは、1910年頃に標準装備され始めたといわれています。つまり、タコメーターは移動する乗り物用ではなく、ボイラーや産業用のモーターなど備え付けの機械の回転するスピードを把握して、異常回転をしていないか判断する為のものだったということです。
結局、タコメーターの役割ってなに?
では、タコメーターにはどんな役割があるのでしょうか。
タコメーターの重要な役割として、エンジン内部の破損につながるオーバーレブ(性能を超えた回転数になること)を防ぐことが挙げられます。しかし、現在のバイクやクルマは、オーバーレブを起こさないように電子制御リミッターが取り付けられていることが多いため、エンジンが異常回転しないようになっています。
それでも、マニュアルトランスミッションを搭載しているバイクやクルマは、回転数に合わせてシフトチェンジを手動でするため、タコメーターの存在は必須。
本来の役割である異常回転に達するのを防ぐ必要はなくなっても、ライダーにとっては、シフトチェンジのタイミングを視覚的に判断できるようになるため、タコメーターは必要なメーターといえそうです。また、年式の古いバイクやリミッターが搭載される以前のバイクは、シフトダウンをする際にタコメーターがないと、エンジン回転数がどれくらい上がっているのかの判断が難しくなり、オーバーレブになってしまう危険性が高まります。
その他にも、エンジンの吹き上がりがよくない、加速がおかしいなどの不具合が出た場合は、タコメーターがあるとエンジントラブルの状態を把握しやすいメリットも。また、新車でバイクを購入した際に推奨されている「慣らし運転」をする際にも、タコメーターがあると便利です。
慣らし運転中は、エンジン回転数を必要以上に上げないように走るのが良いとされており、メーカーによっては走行距離とエンジン回転数の目安を設定しているところもあります。
そのため、慣らし運転をしっかりとおこないたいライダーにとっては、タコメーターがあるとエンジン回転数が必要以上に高くなるのを防ぐための基準にすることが可能です。
https://bike-news.jp/post/257156