北海道利尻町は10日、ふるさと納税の返礼品として送った冷凍ウニの一部について、町内に工場を置く「カネマス上田商店」(厚岸町)がロシア産を利尻町産と偽って出荷していたと発表した。町は今年1月に同社が出荷した2934件、寄付額計4980万円について希望者に返金する。 
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問題となった返礼品の冷凍パックウニ(利尻町提供)

 町によると、同社のウニについて欠品や味の苦情が20件ほど相次ぎ、4月6日に受け付けを中止。町の調査に同社は「町産にロシア産を混ぜ込んだ。1月出荷分のうち400件くらいでやった」と認めたという。

 同町のウニは利尻昆布を食べて育つ高級品として知られる。同町の昨年度のふるさと納税の寄付額は町税の約2・5倍にあたる5億6476万円。ウニは返礼品の中心で、寄付額のうち2億2331万円分の返礼品に同社の商品が充てられた。同町の上遠野浩志町長は記者会見し、「ブランドを育ててきた町民の努力を壊す行為で憤りを感じている。本当に申し訳ない」と話した。

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