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ここまで毛深い理由は現段階では突き止められていない Coutesy of the WA Museum.Photo by Colin McLay

<この種のカニはそもそもある程度毛深いというが、これはさすがにモフモフすぎる。しかも「帽子」まで被っている>

「毛」は動物界で多くの目的を果たすが、今回見つかった新種のカニの姿は専門家をも戸惑らせてしまうレベルだった。

西オーストラリアの南海岸で発見されたこのカニは、スポンジ・クラブの新種とみられる。スポンジ・クラブは後ろ脚を使って自分の体の上で海綿を付ける。タコや魚といった外敵からのカモフラージュが目的だ。

オーストラリアには多くの種類のスポンジ・クラブが生息しているが、今回見つかった新種は、並の海綿の量では満足できないのか、小さな帽子のようなものまで被っている。

「驚くほど柔らかい」
西オーストラリア博物館の学芸員であるアンドリュー・ホージー博士は、このカニは捕食者から身を隠すために、海綿を後ろ足を使って頭上まで移動させたと話す。

スポンジ・クラブは西オーストラリア州最南端の街アルバニー沿岸からナチュラリスト岬の間に生息しているが、新種の毛深さについて驚きを隠せない。「非常に毛むくじゃらで驚くほど柔らかく、綺麗な黄褐色」だ。

新種のカニがここまで毛深い理由は現段階では突き止められていない。「捕食者から足をさらにカモフラージュするのに役立つのではないかと思います」

ただ「彼らの行動は奇妙だ...」と付け加えた。

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