「コロナ禍以降、スーツやワイシャツを着たビジネスパーソンと思われる方の利用が増えています」と話すのは、
インターネットカフェ「快活CLUB」を運営する快活フロンティアの常務取締役、中川和幸さんだ。

 快活CLUBは、全国47都道府県に505店(6月時点)の直営店を持ち、ネットカフェ業界でトップシェアを誇るチェーン店だ。
これまで右肩上がりに成長してきたが、2020年春のコロナ禍初期では、
利用率が最大30%程度減少。特に夜間の利用が激減し、打撃を受けた。

 しかし、現在は19年と比較して売り上げ、利用客ともに97%程度まで復調。
その背景には、昼の時間帯の利用率が上ったことがあるという。

出勤者が増えても、テレワーク利用率は定着
 従来ネットカフェは、余暇の時間を過ごすために利用するお客がほとんどだった。

 現在もその傾向は強く、21年5月に快活CLUBの全店で実施したアンケートでも、
利用目的を複数回答で聞くと「一人になりたい」「暇や隙間時間がある」が双方30%強を占めた。
一方、コロナ禍により最も変わったのは、以前は少数だった「テレワーク目的や学習」での
利用が20%強(男性で22.3%、女性で27.8%)まで増えたことだ。

 ただし、21年5月は一部の期間、緊急事態宣言も発出されていた。
「会食や移動の制限がなくなったら傾向が変わるかもしれない」と考え、同年11月にも再度アンケートを実施した。
すると、「学習・テレワーク目的」の利用率は予想に反して増加し、男性で22.3%→22.5%に、女性では27.8%→29.2%になったという。

 「会社への出勤が増えたタイミングだったので、テレワークの需要は減るのかなと想定していました。
しかし、想定と違い、少々回答の割合が伸びる結果になりました。
20~30%の方がテレワークや学習の用途で使うという状況は、
今後底堅く定着していくのではないかと実感しました」と中川さんは振り返る。

ピーク時間や、人気の部屋の種類も変化
 混雑のピーク時間と、人気の部屋の種類にも変化があった。

 今まで最も混雑していた時間は午後5~10時頃。また、深夜に終電を逃した人が朝まで時間を過ごすという需要も多かった。
そのため、机の前にリクライニングチェアなどの椅子を配置した部屋よりは、
マットが敷かれた床に靴を脱いで上がる「フラットシート」の部屋の方が人気だった。

続く