立憲民主党の笠浩史衆院議員(比例南関東)が5日、参院選神奈川選挙区で同党が公認している2人の候補者について、党本部が情勢調査で上位の候補者の当選を優先する方針を固めたとツイッターに投稿した。

共倒れを避けるためとはいえ、片方の候補者への支援注力を公然と明らかにするのは極めて異例。情勢下位の候補者を実質的に見捨てるような発言だとしてネット上で波紋を広げている。

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参院選で立民は、JAXA職員の水野素子氏、前神奈川県議の寺崎雄介氏の2新人を擁立している。笠氏はこの日午前、ツイッターで「神奈川選挙区では立憲民主党の水野、寺崎両候補とも全力で頑張っていますが、マスコミ等の調査では厳しい情勢になっています」との認識を示した上で、「これを受けて、昨日党本部の西村幹事長が阿部神奈川県連代表らと会談し、各情勢調査で上位の水野もとこ候補の当選を最優先とする方針を示しました。水野候補の4位以内当選を目指して、厳しい判断ですが、今日から水野候補に集中して支援してまいります」と述べた。

笠氏のこのツイートには1日で200以上のリプライが書き込まれ、

「今」ですか

見捨てられてカアイソウ….

事実上の寺崎候補リストラ宣言。

寺崎さんを応援したくなってきた

などと唖然とする人や、寺崎氏に同情する人が続出。期日前投票が既に始まっていることから支持者などから

寺崎候補に投票した有権者のことをあなたはどう考えているのですか?

期日前で寺崎候補に投票した人の票は、無駄になりますよね?寺崎候補に投票した人にとっては、このタイミングでの方針転換はあり得ないと思います。

などの反発を生んでいた。

元経産官僚で制度アナリストの宇佐美典也氏は、笠氏のツイートを引用し、「オレが寺崎候補だったらこんなの立ち直れないよ。人前でも泣きかねんよ」と同情した上で、「立憲民主党、選挙中に堂々と特定候補者のハシゴ外すのはさすがにかわいそうだろう。最前線で戦ってる部隊に補給送るのやめるみたいなもんやぞ」と疑問を呈していた。

一方、同じ笠氏と同じ立民神奈川県連所属で、寺崎氏を支援する中谷一馬衆院議員(比例南関東)は昼過ぎ、「排除の論理には絶対に負けません」と投稿。

夜には、「寺崎さんの当選がこの国をより良くするとの信念と確信を持って、当選に向けて全力を尽くしたいと考えておりますので、神奈川県民の皆様におかれましては、最終最後までご注目、お力添えのほどよろしくお願い申し上げます」と、支援を訴えた。