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写真:ロイター/アフロ

 長年にわたるデフレに悩む日本。一方で、アメリカ合衆国のとてつもないインフレもまた、問題になりつつある。

 米国の6月の消費者物価指数は、前年6月に比べて9.1%の上昇。じつに1981年11月以来という、40年半ぶりの歴史的な伸び率となった。

 これを受け、バイデン大統領は7月13日、「現在の物価上昇率の高さは、とうてい受け入れがたい。インフレは最も危機的な経済的な課題だ」と声明を出す事態になった。

 そのため、アメリカの中央銀行に相当する「連邦準備制度理事会」は、月末の会合で通常の4倍にあたる1%の大幅利上げに踏み切るのでは、という見方が強まっている。

 これほどまでのインフレが起こると、当然、一般消費者への影響も大きい。

 7月14日の『Nスタ』(TBS系)の報道によると、大谷翔平が所属するエンゼルスの本拠地であるエンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムでビールを1杯注文すると、その価格はなんと1800円。日本の感覚ではとても容認できない価格だ。

 2022年5月、休暇でロサンゼルスを訪れたという30歳の不動産会社勤務の男性が、ため息まじりに語る。

「コロナによる行動制限も緩和され、久々の海外旅行でした。最近、転職したため、年収がアップし、現在の額面年収は約1000万円。独身なので、極端な贅沢こそできませんが、欲しいと思ったものを買い、食べたいものを食べることができています。

 もともと旅行が好きで、いろいろな国を訪れていましたが、とくにアジアなどで、日本では考えられないような “豪遊” するのが楽しみでした。

 日本では行かないようなレストランに行き、ちょっと贅沢なホテルに泊まる……久々のそんな遊び方を期待して、飛行機に乗りました。

 ところが、ロサンゼルスではすべてが高い。ちょっとしたハンバーガーを昼食に食べようものなら、5000円はかかる。あまりの物価の高さに辟易としてしまい、散歩くらいしかやることがありませんでした。

 当然、高級ホテルにも泊まれず、学生時代に泊まったような、6人相部屋のゲストハウスに宿泊。それでも1泊6000円です。スーパーマーケットで缶ビールを買い、相部屋の観光客と寂しくすすりました」

 アメリカ旅行は、もはや富裕層のものになってしまったのかも。
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